2014年2月1日
1月24日に平成26年度政府予算案が国会に提出され、麻生財務大臣は、財政演説の冒頭、次のような旨の発言をしました。
「景気回復に向けた動きやデフレ不況からの脱却への期待を、確実な成長軌道につなげていくため、『第三の矢』である『日本再興戦略』の実行を加速・強化してまいります。同時に、政府、経営者、労働者が、それぞれの役割を果たしつつ、互いに連携して取組を進めてまいります。これにより、企業収益の拡大を賃金上昇、雇用・投資拡大につなげ、消費拡大や投資の増加を通じて更なる企業収益の拡大を促すという経済の好循環を実現することが重要であります。
これらの取組により、保険料収入や税収の基盤でもある強い経済を取り戻し、あわせて、消費税率を引き上げることにより、社会保障の安定財源を確保しつつ、持続可能な社会保障制度を構築し、次世代に引き継いでいきます。 」
今回の演説は、読者の方から送っていただいた横浜の帆船の姿のように、青空の下で優雅に佇む安定した社会を目指すものなのでしょうが、それは実現可能なものか、少々心配になります。
今回の政府予算案の社会保障予算は、当初予算ベースではじめて30兆円を超えましたが、私が最後に霞が関で働いていた平成18年度の社会保障予算は20兆円・・その急激な増加に驚くばかりです。
今回の通信は、平成26年度社会保障予算案を概観し、持続性の高い仕組みとなる端緒があるのか、それとも、それは平成27年度以降の予算に委ねられるのか・・といった観点も踏まえて、今後、社会保障予算を制御するための視点について考えてみます。