2025年4月20日
長女が名付けた2.5世帯住宅
最終回は、それぞれの世帯からみた将来的に解決が必要となる「個人空間の課題」の整理です。
まず、0.5世帯は、外泊で家を利用する母親です。母親の外泊用の介護空間として、今考えられることは全て実施したつもりなので、課題は浮かびません。
しかし、近い将来に、私が介護室の住人になると考えたとき、気になる点が1か所だけあります。外泊時用~利用頻度が低いと考えて叔父が使っていた古いTV(壁付機能なし)とテーブルを再利用しましたが、TV・置台とベッドの間が、少々狭いかと思っています。
今のところ1泊程度の外泊時には問題ありませんが、私が、そこの住人として、毎日過ごすとなったときは、少し、手を加える必要があるか・・小さな将来の課題です。
次は2世代住宅としての課題です。
2Fには、キッチン・トイレもあり、設備としては十分です。また、現代的に必須のWIFIも上下でそれぞれ光ケーブルを引き込んで別契約・・一方での利用が他方に影響を与えないようにしています。極力、それぞれの生活に影響を与えない「個人空間の整備」により、双方、快適に暮らせるという基本設計です。
しかし、実際に住んでみると、2Fに居ると1Fの音がよく聞こえるということがわかりました。以前よりは壁が増え、防音上も大丈夫と思ったのですが、気密性の上がった新階段(写真)を通じて、音がよく通るようになることは見落としていました。キッチンで料理するときに換気扇をつけ忘れる(私の調理時によく起きる・・)と、料理のにおいが2Fに広がるのも新階段の気密性が要因です。視覚的には、階段の壁の色を2Fの床の高さで区分することで、上下の区分をしましたが、聴覚・嗅覚の面は忘れたという失敗です。
同居期間が10日以内の現状では許容範囲と長女は言っていますが、親世代の行動パターンが変わり、福井の時間が増えると軋轢の要因になるかもしれません。現在、移動を容易にするため暖簾で簡易間仕切りにしている部分に扉を追加するか(規格品が入る開口部は確保済)は、将来の検討課題です。
2世代住宅への改修を考える人は、音やにおいも含めた分離や、将来の扉の追加の可能性にも留意ください。
最後は、奥方と私の行動パターンです。
奥方の個人的人間関係も含めて、その拠点は東京~親の関係で福井に一定期間いるのが現状であり、それは今後も変わらないと思っています。私は、どこにいても大丈夫と10年以上、福井と東京を行ったり来たりしていますが、最近では、東京の時間のウエイトが高まっていました。やはり母親宅の不便さが要因でしょう。しかし、今回の改修完了でその障害がなくなり、東京と福井のウエイトを逆転することも考え始めました。長男が東京のマンションを拠点に働き続けるのであれば、東京は奥方と長男を中心に考えて、私の東京滞在は短期に・・ということです。
福井の家のホスト役として、福井の時間を増やして、あれこれやるのも楽しそうですが、そう考えると・・福井は10日ほどの滞在との前提で今回整えた個人の睡眠環境を再考する必要が出てきます。
滞在パターンを変えてから順次取り組めばよいのでしょうが・・家の状況で人の行動・生き方が影響される×人の行動・生き方で家も影響を受ける=人と家の関係は面白いと思います。共有空間の成長ばかりでなく、自分の行動変化にあわせた個人空間の変更も今後の課題のようです。
まずは、再利用した4台のエアコンの中で最も古い事務室の室内機の更新時期から考えることに。窓のない部屋で空調は最重要~デザイン的にも青壁に白い室内機は少々残念・・選択肢は狭いながら高機能でダークな色合のものを気長に探してみます。
なお、女性陣それぞれの個人空間の変更はお任せです。長女の新パートナー 墨国人の彼との将来は楽しみですが・・行動・生き方を主体的に変える際に、本人自身で空間変更の要否を考えてください。その際、今回の連載も参考になるでしょう。
以上で 老朽住宅の大規模改修の連載は終了です。
私にとって、この改修は、「人生の終わりの始まり」と自覚して、この家と付き合っていくつもりです。縁があれば・・今回の話が本当かどうか それが続いているか 福井まで ぜひ確かめに来てください。現在より、さらに居心地の良い快適に育った空間でお迎えします。
でも本当に来るならお早めに。いつまでも元気で暮らせる自信はありませんので(笑)