老朽住宅改修 第38回 工事完了は職人達との自宅での打ち上げの日~完成品を見る機会の少ない職人の皆さん

2025年4月13日

10月の最終土曜日 工事関係者を改修完了後の最初の来客としてお迎えし昼食会を開催。
その直前に、工務店が最後の工事を仕上げました。

昼食会の前日に光ファイバーケーブルの敷設替え~新たな電話・ルーターの設置場所に変更する工事がやっと終了。それまでは、従前のケーブル出口(新壁の下)から、新たな扉位置に引き出し、新たなルーター位置までつないでいました。そのため新たな扉の枠を完成させることができずに、最後の部材が玄関ホール隅に転がっていましたが、昼食会の日に早めに来た工務店が、短時間で枠を完成させて、一連の改修工事は終了です。

 

約10か月の長丁場の工事でしたが、工事中の大きな事故もなく、無事終わって一安心です。それを祝した打上げ兼ねた昼食会を、北側の公的空間の和室(写真)で開催。最初の来客として、どのようなオペレーションがよいかを試す実験でもあります。参加者は、元請けの工務店、耐震補強、内装、電気、給排水、解体等の担当事業者の皆さんです。

 

工務店及び内装の人は、工事の役割・手順上、最終形を見てはいますが、耐震補強の人は最初の状態だけ、その他の人は隠し扉がついた状態は見ていません。皆さん、会食の前後に、しげしげと隠し扉の仕上がりを見ていました。以前も書きましたが、棚付きドアの隠し丁番の構造・働きや、玄関の一枚板扉の大型金具の取付方法・動きを何度も確かめ・・遅れてきた耐震補強の事業者は、奥方が案内して家の中を見て歩きます。当日欠席の木工事の職人さんも玄関ホールの隠し扉の仕上がりには関心があったらしく、工務店の人が写真に撮って送信している姿も印象的でした。

 

食事中に、奥方が「工事完了後の家を見ることはあるのですか」と聞くと、皆さんからは「工事の一部分を担当しているので、完了後の状態を見ることは、ほぼありません」との由。昔の国立病院機構時代にも、工事監理という点を強化した記憶がありますが、通常の工事では、工事監理者が工事の初めから最後までを通して立ち合い、各事業者は、その途中の一部の段階しか関わらないのが普通でしょう。
今回、工事監理という役割の人はいませんでしたが、こうした仕上がりになったのは、参加した関係者のチームワークが良かったからでしょう。少しは、8月、9月のピーク時に、奥方と私が長期に現場にいたことも貢献しているかもしれません。

 

続けて、奥方は「皆さんからひと言。大変だったこと、記憶に残ることを教えてください、」と水を向け、順番は最後に元請けの工務店と指定。
最初の人は期待通りに、「○○さんから何の情報来ない。現場で施主から聞くことも多かった」と伝達問題に触れます。次は、「7月頃は全然動かず大丈夫かと思っていたが、8月から急に動き出し驚いた。2F引っ越しが8月末聞き、今度は間に合うかと心配だった。」と段取り問題へ・・これは拙いと思った工務店の人が、「これは私をいじめる場ですか(笑)」と中断。
そこからは自身の工事担当分野で大変だった話に変わり、「耐震補強で通し柱の位置修正は怖かった。少しのエラーで大惨事・・」「土壁の解体が大変だった・・」「世界地図の壁紙は、見たことのない裏地で、どう処理してよいかわからなかった。壁全面にパテを塗って対応したが・・」と続きました。
私自身に対しては、「家内に昼食べた人の説明するときに、どんな人・仕事と言えばよいか」と食いつかれて・・「隠居とでも言って」と最後には煙に巻きましたが、月に1週間しかいなかったり、1か月ずっといたりと、不思議な滞在パターンを見て、「何なんだ?」と思うのは当然かと苦笑い
しかし、福井の環境も整い、これからは福井では本当に「隠居生活」が始まる気がします。

 

仮に、この家に不具合があっても直ぐに対応してもらえそうな安心感を持って、昼食会は終了です。こうした質の高い職人群との良い関係のある工務店・・伝達・段取りの問題はあるとしても、仕上がりの質を求めるなら引き続き大事にしなければなりません。

なお、その1か月後、障碍者就労支援事業所のYOUサポートの社員・役員を招いて、今度は、東側のリビング兼来客用寝室で、彼らが剪定・掃除した庭を見ながら昼食会も行いました。家の見学時間もありましたが、素直な障碍者の皆さんは、期待通りの反応・・荷物の搬出入のお礼も言って東京に向かいました。

 

これで工事完了のイベントも終了です。

皆さん ありがとうございました。