Vol.67 これからの国立病院機構に期待するもの

2013年12月15日

皆さまもお忙しい師走でしょうが、私も先週は、九州での1週間でした。

 

前半は、長崎県の障碍者支援を行う大規模法人を訪問し、現場をみて厳しい話をしたり、若手職員と話をして10年後の成長の期待を伝えていました。

翌日には、福岡県の小都市で、都市開発事業者と行政と医療法人の共同で実践しようとしている新たな街づくりのプランを聞かせてもらい、民間ならではの、面白く、かつ、効率的・効果的な取り組みに好奇心を掻き立てられましたが、後半の精神科医療グループでの管理職研修では、2か所で、連日、同じ話をして少々疲れて東京に戻り、そのまま総合診療を北海道で行う医師との会合という密度の高い時間でした。

 

長崎県の弁当作成の現場では、例の関東店のイメージが戻り、いつも以上に厳しい話をしたかと反省していますが、「障碍者のやることだから、少し質が落ちてもやむを得ないのでは・・」という若手職員の意見には、「それを食べる人からすれば、誰が作ったものか関係ない。法人としては、障碍者を雇用し支援するという段階から、地域全体を支えるための良いサービスを提供すると、一段高い目標を持たないと、あっという間に不要な存在になりかねない。」と率直に伝えたところです。若手職員の心に、どう響いたかは不明ですが、10年後に、どこで働いていようと、地域社会に貢献する一員となっていて欲しいものです。

 

さて、今回は、2013年最後の通信です。

当面の財政対策はともかく、国民の負担能力を超えて増え続ける医療費をどうするかの具体策も見えないまま、今年も間もなく終わります。

先週、途中で立ち寄った吉野ヶ里歴史公園(写真)の姿が、全国の衰えていく地域の未来と重なったところですが、各地域の実践(福岡で聞いたプランなど)を通じて、具体的な未来を、各地域で明確にしたいものです。

この「実践に勝るものはない」という視点で、医療費の効率化、地域の医療を支えるという目標に対し、かつて所属した国立病院機構(NHO)が、どのように貢献して欲しいかを、今年の最後の通信にまとめます。

 

これからの国立病院機構に期待するもの