2013年6月15日
先日、東京都王子に所在する飛鳥山公園に行きましたが、福井では、まず見ることのない数多くの子供が遊ぶ姿を見ました。ここでは少子化を実感することはありませんでしが、数字でみると、これからも子供は急激に減って行きます。
市場の収縮等の社会的な問題はあるものの、子供を持つかどうかは、あくまで個人の問題であり、出産後はともかく、妊娠出産自体に政府が関わるのはどうか・・・というのが私自身の意見ですが、実際には、体外受精(写真)等の生殖補助医療に助成金が出されるなど、間接的にしろ政府が妊娠出産に関わるようになっています。
さて、今回、この生殖補助医療への助成制度に関して研究班により見直しの提案があり、それに対して読者の方から、次のような問題提起がありました。
公開されている情報も少なく、また難しい問題でもありますが、自分なりの考え方をまとめてみたいと思います。
「先日、厚生労働省が『40歳以上の女性に不妊治療の助成金を打ち切る方向で検討。』との報道がありました。
私は現在、不妊治療の為に通院中の当事者で、高齢ではあるものの一世帯での年収が730万円を超えている為、助成金については対象外の患者です。今回の報道にもあった通り、確かにデーター上は、妊娠・出産率が40歳を過ぎるとガクッと低下し、流産のリスクが高いということは当然理解しています。実際、治療を決心して行った病院の初診時にも同様の説明を受けた上で、確率は低くてもチャレンジするということで通院を続けています。
治療をしている方の年齢はまちまちですが、明らかに20~30代でない方も沢山います。その中で気付いたことは、早期の出産がどれだけ大切なことであって、何歳まで産めるのかということや、リスクに対して知識の無い女性が多すぎるということです。今回の年齢制限の理由のひとつにも、出産適齢期を認知してもらうということもあるようですが、それだけで理解することができるのか疑問です。欧米では、女性の生き方としてそういった教育を若い頃から学校で教えると聞いたこともありますが、日本での教育は保健体育としてのみで、ライフスタイルとしての知識を得る機会はありません。
また、政府は出生数を上げろということは声高らかに言いますが、仕事を社員や常勤で熱心にやればやるほど、自身のことは後回しになってしまい、出産年齢が遅れることや、産休・育休が取り辛いという現実への対応はまだまだ遅れていると思います。
仕事の都合を優先したばかりに、年齢が高くなってしまったけれども子供が欲しく、仕事を辞め、治療に専念するという方も沢山いると聞きました。退職してしまったら今度は高額の治療費が払えなくなります。年間100万円以上は軽くかかるということもざらにあり、大変な出費となります。そういった時にこそ、助成金は必要ではないかと思うのですが、今後は必要な時には、既に遅くタイムリミットということですよね。一律に年齢で打ち切るというのはなんとも複雑な思いでいます。
もちろん助成金が国民の税金で成り立っていて、確かに『確率が低い無駄な?投資をするなら効果的に利用すべき。』ということもよく理解しているつもりですが…。
北川さんはこの件についてどう思われますか?」