Vol.55 歴史ある障碍者就労支援事業者の課題 ~ 福井から

2013年5月15日

先日、読者の方から、奥様との散策の際に撮影された写真とともに、面白い話を送っていただきました。

事業経営や人材育成の観点から、示唆に富む話と思いましたので、ご紹介させていただきます。いつもありがとうございます。

 

「私が地方の元の会社勤務したいた頃、会社の斡旋で、山の穏やかな斜面にある家庭菜園を借りました。3坪ほどのその菜園でジャガイモを作ることにして、肥料を入れて種イモを植えて帰る途中の山林の中で、植物博士を自認する女房が、山菜の王様と呼ばれる『タラの芽』が自生しているを見つけたのがそもそもの発端でした。
それ以来、毎週末、私達夫婦は家庭菜園は放ったらかしにして『タラの芽』採りに精を出しました。そのお陰で3ヶ月ほど『タラの芽のテンプラ』に不自由しなかったのですが、出るタラの芽を片っぱしから摘んでしまうので、3本ほどあった原木は丸裸になり、やがて枯れてしまいました。

また全く手入れをしなかった間に家庭菜園は草ぼうぼうとなり、収穫時は指先ほどの小さなジャガイモが獲れただけでした。

その時は結局、タラの芽を乱獲して枯らしてしまったわけですが、そのことを教訓に、今回は、ワラビを根こそぎ採りつくして何もない野っぱらにしてしまわないよう注意しなければいけないと思っています。」

 

この話を「山菜」を「人材」に置き換えると、事業経営にもつながります。

事業経営でも、人を育てることを忘れて使うばかりでは、事業自体が細り、いずれは廃止とならざるを得なくなるものです。

 

さて、今回は、福井に本拠を移して以降、福井所在の障碍者就労支援事業者との関わってきた経過報告ですが、こうした視点から考えてみました。

法人内のガバナンス・人材育成の体制を改善し、直面する経営問題を乗り越えて自立経営に移行できるか・・・福井の歴史ある大型法人を事例に、その課題と再生の可能性を考えてみます。

 

 

歴史ある障碍者就労支援事業者の課題