Vol.42 国立病院機構の平成23年度決算を読み解く(その1)

2012年10月1日

先月28日に、総務省より、「公立病院改革プラン実施状況等の調査結果」が公表されました。

ご覧いただければ(アンダーライン部分をクリック)、わかると思いますが、各病院の具体的な経営数字は全くなく、また、収入に占める他会計繰入(税金投入)の額も示していません。

さらに、「基準外繰出しなしで黒字を達成した病院は、基本的には、現状を維持できるように経営努力を重ねること」と、最終的には税金投入によらない経営自立を目指した更なる改善は求めていません。

志の低いのは、残念なことです。

 

私たちの負担する税が、他の設置主体の病院には、ほとんど使われないのに、なぜか自治体病院だけには潤沢に使用されるのか? という基本的な疑問には、何ら答えていません。

先日の講演でも、「前回の診療報酬改定は、自治体病院の経営の悪さ(税金抜き)が全体の足を引っ張り、他の主体が黒字にも関わらず、プラス改定になりました。」と説明したら、「自治体病院のお蔭だね・・・」などと、民間病院の方も苦笑い。

少なくとも、税金投入の数字を明示すること、それを除いてどうなるかを示すこと、税金投入の根拠(基準内繰り出しの意味)を明確にすること抜きでは、総務省発表は「無責任なもの」と言われてもしょうがないでしょう。

まさか政権交代で「やる気」がなくなった訳ではないでしょうから、ぜひ、労働組合の持つ「票」に負けたと言われないよう、堂々と、自治体病院改革を進めて欲しいものです。

 

さて、今回及び次回と、先月公表された 国立病院機構の平成23年度決算を2回にわたり読み解きます。

国立病院機構の決算は、全体・各病院、税金の投入・理由等も、全てオープンです。一定の加工をすると内部取引の現状も見えてくるくらいに透明なものです。保険料・税で収入を賄う、医療の事業主体は、全てこうあって欲しいものです。
まず今回は、法人全体の損益計算書を中心に、国立病院機構だけではなく、民間の医療法人、社会福祉法人などにも共通する経営上の課題である、給与費・材料費・設備投資等の効率化の視点について考えてみます。

 

国立病院機構の平成23年度決算を読み解く(その1)