Vol.28 障碍サービスの平成24年度報酬改定を考える

2012年2月15日

永田町では、社会保障と税の一体改革の議論が、年初の予想通り空転しています。

与党の年金改革案の試算を出す出さないのもめ事も、40年後のことだから「今回の議論とは違うの」という理由で政府・与党は一旦は出さないと決め、しかし与野党協議が進まないと、また出すと言って与党内でもめていますが、そもそも10~20年後に顕在化する高齢化による年金給付増の問題を解決するのに、なぜ、40年も時間がかかるような案を出したのでしょうか。そんなものが解決案になるはずがありません。金勘定の前に、時間軸だけで、ダメなのが分かります。

また、今の財政状況と社会保障費の伸びをみれば、消費税を10%に上げても、国の財政破たんを、少し先送りするだけの「時間稼ぎ」に過ぎないことは、数字さえ見せれば小学生でもわかる当たり前のこと(少なくとも我が家の小5は理解しました)なのですが、次の引き上げが、遠い先のように言うのを、政治を担う方は無責任とは思わないのでしょうか。「選挙」が行動の判断基準であることを露わにする不思議な人達です(これに付き合わされるお役所の人も大変と思います)。

 

さて、この10年と同じく、政治家が担う社会的負担の分配議論が何も進まないのとは対照的に、事業者に配分される報酬改定(当然財源は社会的負担です)はスケジュール通りに内容も決まりました。

医療機関に係る診療報酬、介護事業者に係る介護報酬、障碍事業者に係る障碍サービス報酬の三つです。報酬改定というと診療報酬、介護報酬がすぐに頭に浮かびますが、この二つは、負担者と事業者の合意形成が前提となっていますので、その内容が事業者に一方的に偏ったものになることは多くありません。しかし、障碍サービス報酬は、こうした議論の枠組みがないことから、前回=1回目の改定では選挙前であったこともあり、ほぼ事業者意見のみを反映したものとなりました。

今回は、制度化後、2回目の改定となりますが、そのプロセスを含め、報酬改定の背景にある政策方針や意図がどうかとの観点から、私の意見をまとめました。

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Vol.28 障碍サービスの平成24年度報酬改定を考える