2025年1月8日
改修の中心は耐震補強する木造部と考え、鉄骨部はキッチンの更新・壁紙変更程度かと考えていましたが・・女性陣からの洗面・浴室が「狭い」「寒い」との度重なる強い要請に負けて、壁位置を変えての大掛かりな改修になりました。
改修計画を考えるうえで、最も揉めた一つが洗面・浴室の扱いでした。
私は、ここまで実施すると費用が過大になるとの心配と、自身の洗面・浴室の使用頻度・時間も短く、それほど必要性を実感していないことから先送り(将来の実施事項)を考えていましたが、女性陣 特に長女は強固に改修を主張しました。当時住まいとしていた旧叔父宅の洗面・浴室が広かったこともあり、母親宅の既存設備の貧弱さが余計目立ったのでしょう。
工務店の人も改修するなら水回りの優先順位が高い~女性陣の意向が大事という見解でしたので、その実施について再考せざるを得なくなりました。ネット上で種々の情報を検索したところ・・車いすで利用できる洗面台(介護施設向け商品)や介護用途から派生したシャワー(一般家庭に増設可能)があるのを見つけ、今回の一つの目的である介護対応~資金は原則母親のものでしたので、「胴元」の必要性に応えるべきという発想に戻って、介護対応を基本として洗面・浴室も改修することにしました。
しかし、実際に行うとなると大変なこと続きでした。
まず、1.5畳の浴室を2畳にする前提で、それにあわせて洗面・浴室の壁位置をDK側に動かすことが必要なのですが、「DK側の床を捲り、天井を撤去」「洗面の床下にあるコンクリート製の分厚い土間を解体・撤去」「洗面・浴室とDKの間の壁を解体。内部に積まれていたコンクリートブロックも撤去」と大作業になりました。
次に、何を置くかを決めるのも大変です。
洗面台は要介護者と一般者が双方使うことになるので、双方のニーズに応えるものが必要ですが、世の中には、それに応える製品は少なく、最後の最後に工務店の人が適合するL社の製品を見つけてくるまでは、「それぞれ必要なパーツを購入して組み立てるしかないか・・」という方針でした。
浴室はキッチンなどと合わせてショールームに女性陣と行きましたが、なるほどと思いました。選択すべき事項が数多くあり、その事項ごとにグレード(値段)が決まっている・・当然、選択事項は無いよりあったほうが良さそうなものばかりで、グレードが上のもののほうが見栄えは良いという条件下での選択作業ですから、いわゆる「高価格シフト」が生じるようにできています。
あれはダメ、これはダメと個別に査定し、逆に自分の希望を強く言うのは、お互いの不幸と考え、一定の条件を課して機能選択は女性陣に概ね委ねることにしました。結果は、ネットで見つけた介護シャワーが標準装備されるL社の標準グレードのものに落ち着きました。色の選択は長女の意向が強く反映されています。
最後は復旧する壁位置の決定です。
洗面を通って浴室に入る動線ですので、洗面側の通路幅は広いほうが良いのですが、それを広くしすぎるとDK側の動線が狭くなるという関係です。双方で支障なく通れるために、どの程度の幅がそれぞれ必要かという問題ですが、建築関係や車椅子関係の情報をネットで検索したりした結果、人が違和感なく通れる幅として最低75㎝は必要という文献を見つけ、実際に車椅子で確認。「双方で75㎝幅が確保できる位置に壁を作って」と条件付けをして私の仕事は終わりです。この実際の位置決めには、壁の復旧直前まで時間がかかりましたが、その仕上がりは、浴室側から真っすぐな壁となって、当初図面とは違うシンプルなものでした。
母親の外泊中には、移動式のシャワーチェアーで洗面から浴室に真っ直ぐ入って(写真)、突き当りの正面の介護シャワーで入浴というスタイルも定着。母親も介護する奥方双方とも、これまでのところ支障はないようです。
なお、費用については、洗面台・浴室の物代はわかりますが、それを設置するために要した解体費用や、天井・壁・床の復旧費用がどれくらいになったかは、恐ろしくて個別に数字は出していません。
しかし、女性陣の生活の質に対する満足度は確実に上がったようです。
これをプライスレスと言うのでしょう・・