老朽住宅改修 第5回 母親宅の改修事業に着手(2)~工務店との良い関係性が基盤

2024年12月11日

耐震補強のプラン確定から始まり、耐震補強工事、これに並行した改修プランの作成、改修工事と続いた一連の工事が、無事進んだ基盤には、工務店との良い関係性がありました。

 

今回、工事発注をした先は、同じ町内の工務店です。

この工務店とは、先代に床の張替え(20年ほど前)を依頼するなど、父親の時代から付き合いがありました。父親が亡くなる前後に、在宅介護のための最低限のバリアフリー化(敷居や開き戸の撤去)・階段の安全措置、母親の旧居室の床の張替え(シロアリ駆除含む)と、母親のご指名で工事を依頼して、私との接点ができました。その頃には、工務店も代替わり・・当時は、双方の子供も学生であるなど、共通の話題もありました。

その後、長女の旧叔父宅への転居時の改修・父親の残した貸家の改修(いずれも2万円/㎡程度の規模の内装工事中心)、母親宅の玄関周辺の介護対応の改修(玄関先の解体含む)、長女宅の追加工事(外溝・排水関係)と、順次、工事を依頼してきた経過があり、よい関係性が出来つつありました。

この一連の過程で、母親宅の減築案(第2回)も、この工務店に相談しています。

 

当該工務店は、一級建築士の資格も持つ「一人親方」で、他に職人を持っているわけではありません。工事ごとに必要な分野の事業者・職人に依頼して、施主からの依頼内容を完了するというビジネス・スタイルです。ただ、耐震補強を依頼した事業所とは違って、設計・監理をするだけでなく、自前で体も動かし=大工作業もするタイプですので、仕上がりにこだわる職人気質がある~「ここの仕上がりよいでしょう」と自慢するところは、悪くありません。

その気質のためか、他の職人に依頼する他分野の工事の仕上がりも、これまでの工事では丁寧と見えました。良い職人を選んでいるのでしょう。さらに、古くなった窓枠の補修材などの新しい材料を見つけてきては、試してみる姿勢も長所です。

 

今回の改修プランの作成作業は、当方の関心事項については、発想・意向を工務店に伝えて、できるかどうかを技術的に確認するという形式で進めましたが、こちらの関心事項のいくつかは、「普通の工務店では、これまで経験ないだろう・・」と思っていましたので、特に「試してみる姿勢」のある工務店は、プラン作成時の相手としては最適でした。私の関心の乏しい~女性陣の関心事項についても、プラン作成時に、うまくまとめてくれたと思います。

これも工務店の我慢強さ~あれこれ言われても挫けない強い気持ちのお陰でしょう。こうした相手が見つかるかが、最初の大きな課題と思いますが、事前の蓄積がない時にどうするか・・・私の場合、この工務店との付き合いが無ければ、大規模改修に踏み切っていないと思います。

 

実際の工事段階では、一人親方に起因すると思われるリスクもいくつかは感じられましたが、結果としては、リスクは顕在化せず、住人一同 不満の無い仕上がりで工事完了しました。一方では、自分で体を動かす木工事で一定の工賃・利益は確保しているからだとは思いますが、大規模な建築会社のように「お高い」設計・監理の費用は積算計上されず、少なくとも、その分の費用は抑えられた(費用分析は、近い将来に行う予定)と思います。

 

なお、契約時に、奥方が工務店の経理担当のお母さまに「いろいろ無理な注文言われて、困っているでしょう」と、答えに窮する質問をしたときに、「いろいろ勉強になると言っていました」との返しがあったようです。そのうち、一人親方に、「勉強になった」の意味を聞いてみます(笑)