2024年12月5日
母親のサービス付き高齢者住宅の長期利用が決まった際に、家への再投資の要否を再検討することにしました。母親が長期に住むことはないのですから、相当の金額をかけて改修する必要があるかという再確認です。
まず、奥方と私の福井滞在時の環境の問題です。
私の母親のほか、福井には奥方の両親が健在であり、その様子をみるために、奥方も毎月1週間程度は福井に戻っています。その両親には認知症の症状もあり、奥方が実家に泊まったりすると、特に母親に混乱が生じるようであり、実家に泊まるのは避けたいという意向でした。
母親宅の近所にある改修済みの旧叔父宅には長女が住んでいますので、毎月居候するという方法もありますが、2世帯用に改修したわけではないので、毎月1週間程度といっても長期間続けるのはお互い大変そうです。その結果、母親宅を利用して滞在するのが最も良いという結論になりましたが、小規模な新築又は既存住宅の改修という選択肢は残ります。
次は、旧叔父宅に住んでいる長女の問題です。
当時、英国に戻っていた配偶者との関係がしっくりいかず、離婚話も浮上(結果的には改修中に離婚)し、一人で叔父宅に住むのは広すぎるという意向が示され、母親宅に転居し、私たちが不在の間も管理をするのが合理的・・母親宅を空き家にするより、長女が住んで、改修済みの旧叔父宅は貸し出すほうが合理的と考えました。将来、長女が福井に住み続ければ、改修後の母親宅も無駄にはならない可能性もあります。
資金については、父親・姉の相続(姉には子供がおらず親子相続が発生)が続き、過大な現預金が手元に残った母親の資金を原資にすることは決まっていましたが、やはり小規模新築か大規模改修かという選択は残っていました。最終的に改修に落ち着きましたが、次の家族がらみの理由からです。
〇常時家にいるのは長女1人だが、母親の一時帰宅も含めて4人以上の空間を確保する必要がある。
〇年末年始など、次女夫妻や長男が福井に来る際の宿泊環境も考慮する必要がある。
〇母親宅は、父親が20歳代のときに自ら線引きし木材を切った家と伝えられ、その後父親が購入した数多くの趣味の建具(今は作る職人もいないらしい)は、残してやりたいと思う。
〇この家には、私はもちろん、長女も幼い頃の記憶が残っており、関係者の記憶を全て消し去るのももったいない。少なくとも私の存命中は、前世代の回忌法要はやってやりたい・・可能なら同じ家・仏壇で。
結局は、「家族・一族の時間を超えた交流拠点という仕上がりイメージ」で、欧米のように古い家に手をかけて住み続ける=改修という選択となりましたが、それを終えた感想は、「新築のほうが簡単で早かったか・・」と思う一方で、「古い住宅構造の制約のもとで種々の工夫を考えて面白かった」という意識が強いです。
私のような初物の仕事の難しさを楽しむ変わり者には、ちょうどよい「遊び道具」だったということでしょう~変わり者の自覚のある人には改修をお勧めします。