実学17:自分1人で出来ることの何倍結果を出しているかを考える

2019年5月8日

真面目な日本人・・何でもかんでも自分でやらないと気がすまない人もいます。こうした人は、比較的、能力があり、仕事に対する責任感の強い人であることが多いでしょう。
しかし、こうした人が、部下を持ち、チームリーダーになると、途端にうまく行かなくなることがあります。
「仕事の進みが遅い部下に過度にイライラする」
「うまくサポートできないのもあって、結局、自分でやってしまう」
「そのうち部下に仕事を任す仕事量が極端に減り、自分で仕事を抱え込むように」
「仕事量がオーバーフローした途端に、当該チームは全くアウトプットが出なくなる」
といった順番で、元々、能力があると思われた人が、ボトルネックになるという道を辿ります。

 

こうした傾向のある人に、「なぜ、他の人にやってもらわないの」と聞くと、「自分でやったほうが早い」との回答・・できれば働きたくない私などは、「最初は大変でも、他の人がやれるようになれば、自分は楽なのに。もったいない。」と考えますが、もちろん「楽する」=「別の仕事ができる」と言い換えれば、その意味の大切さは、誰でも理解できるでしょう。

 

リーダー役の自分を含めて3人のチーム・・自分1人で出来ることの何人分の結果を出しているかと考えるとわかりやすいでしょうか。
仕事の結果としては半人前が2人居て+自分が1.5人分働いても 結果は2.5人分
これが今の仕事総量になります。
仮に2人のアウトプットが上がって半人前から1人前になれば、今の仕事総量を処理するには、自分は0.5人分働けば十分。自分の負担の減った1人分は、別の仕事など、自由に使えるはず・・という計算です。

 

こうなるために、2人への働きかけを変えて、どの程度の期間で結果を出すかは、一概には言えませんが、とりあえず3か月程度を目標に「実験」するのがお勧めです。それ以上長いと、自分自身が、以前のことは忘れてしまうからです。この間、最初は大変ですが、そのうち関わり方の変更が当たり前になってしまいます。

その結果、期待通りの水準まででなくても、必ず、アウトプットが上がってきます。なぜなら、本人たちは、「リーダーがやるから自分はやる必要はない」と思っており、最低限の力しか発揮していないからです。
もし、うまく行かなければ、それは関わり方の変更内容がダメ~人が育つ環境を作ることができていない~別の工夫が必要ということです。

 

しばらく前に、「何でも自分が」という人に意見したことがあります。

彼は、現在、自分の働き方改革中とのこと・・この前会ったら「係長くらいの働きは」と言っていました。 次に会う時は、どうなっているでしょうか?