2019年4月8日
初対面の人と話すときには、それなりに自分の意図が曲解されないように注意して話すものですが、同じ仕事チームの一員と話す時には、話のベースが共有されていると勝手に思い込んで、簡単に言っても自分の意図は相手に通じていると考えがちです。
ある仕事を依頼して、次の打合せをしたときに、すっかり依頼された仕事を忘れられていた・・という経験があります。最初は、とぼけているのかとも思いましたが、本当に忘れていたようなので、思わず苦笑い・・
これはこれで困ったものですが、もっと困るのは会話の中で指摘したことだけ考えて、「はい できました」と持ってこられる時です。こちらは、指摘した事項は、大きな問題から派生するいくつかの悪い現象を例示として言っているだけで、本来の大きな問題の対策全般を考えて欲しいのですが・・本人は、私が「指示した」事項を考えてきたつもりなので、全く悪気はありません。しかし、仕事の成果としてはゼロ・・時間を浪費しただけです。
部下を持ち始めた頃に同じことが繰り返されたので、仕事を依頼する際には、最初の打ち合わせで、本来の大きな問題は何か・・という点の意識合わせに時間をかけてみました。時間はかかりましたが、何とか時間を浪費することは避けられるようになり、今でもそれは続けています。
さて、最近、同じような事例がありました。
職員の成長の機会として、本務とは違うあるテーマについてPT(プロジェクトチーム)で検討するという取り組みを進める法人の理事長から、「PTの前に、PTリーダーと事前の打ち合わせをしたのだが、そこで私が言ったことが、PTでは理事長からの宿題として説明されていて驚いた」というものです。
実は、前々から理事長の考えるテーマの意味が、全くPTに伝わっていないと考えていたので、一度、PTの前に関係者の腹合わせの意味も含めてブレインストーミングをしてはと助言をしていたのですが、その現場の模様を見たいと、動画を送ってもらっていました。
理事長本人は全く自覚してなかったようですが、そのブレインストーミングは、まるで口頭試問・・あれはどうなってる、これは問題と思うがどうかなどと一方的に指示しているように傍目には見え、PTリーダーはメモに忙しそうでした。
当然、この動画に関する印象、意見は理事長に伝えましたが、その後のPTで、「理事長からの宿題」と説明されるのを見て、これまで自分の意図がうまく伝わってなかったと自覚したようです。
ちなみに、この動画作戦は、3つのPTの事前打ち合わせで拝見しましたが、その都度、コメントしたものの、3回目は、初回の口頭試問より、格段に良くなっていたのは驚きでした。
理事長が自分の意図を正確に伝えて理解してもらう努力が継続すれば、自ずと職員の問題解決能力=役職者に求められる基礎能力も上がることでしょう。
次の動画が楽しみです。