2013年4月20日
本日、第1回チャレンジド研究会を開催しました。
この研究会の設置の趣旨を簡単に言えば、未来を担う次世代の医療・福祉の経営者の「卵」を育成するトライアルの場です。
当研究所の今年のテーマとして、「実のある時間」という目標を設定しましたが、この研究会は、仕事の面での中核をなすものです。
研究会には、2つの医療法人、2つの社会福祉法人に参加いただき、国の行政経験者をオブザーバーとして招き、また、㈱日本経営を事務局に運営するものですが、私を含めて総勢20名、平均年齢は私を除いて36.7歳、まさしく、これからの未来を20年以上担うべき世代の人達です。女性が3名と、医療や福祉事業における女性比率と比較すると少ないのは残念ですが、これは今後の課題でしょう。
私自身、今から10年前、障碍行政を担っていた頃に、民間の医療法人の複数の経営者の方と1年以上、私的な勉強会で意見交換を継続していましたが、その交流の中で、お互いに、また経営者相互で、新たな気づき、成長があったという実感があります。今回の研究会を通じて、現場の経営層、行政官、コンサルタントといった、未来を担う中堅世代の皆さんに、同じ経験をしてもらうことで、きっと1年後には、大きな成長があると考えるものです。
毎月1回、土曜日の開催を原則として、年間テーマ(下記をクリックください)にしたがって、1回の講演と1回の発表をセットに進めていきます。
単なる座学ではありません。第1回の会場とした「Ⅽ・ネット関東店」の経営改善プランも検討していただき、その実践を通じて、経営改善の経験も身に着けてもらう予定です(この進行管理のため、1法人から週2日の出向も認めてもらいました)。
これらの中で、自分の問題に気づく、他者と共感するといった面のほか、資料をまとめる、人前で発表するといった経験や、会議を主催する、人や組織を動かすといった経験も積み重ねてもらうつもりです。
経営者たるもの、自分の考えを人に伝え、それを実現にするために組織を動かすのは、これから必須のスキルだからです。
経営者に必要なのは労務の知識、会計の知識といったものではありません。もちろん、そうした部分的な知識があるにこしたことはありませんが、最も大事なのは、それらの情報を統合して判断すること、判断したことを現場に理解させ動かすこと、動き始めた現場が自分の想定通りに動いているか確認すること、動いていない場合には現場に関わることで改善を動かすこと、といった人と組織を動かすスキルと力です。
こうしたスキルと力を身につけてもらえるよう、まず1年間、お預かりした、研究会メンバーの成長を促し、見守るつもりです。
<研究会の設置の趣旨>
Challenged(チャレンジド)は「障碍を持つ人」を表す米語「the challenged (挑戦という使命、挑戦するチャンスや資格を与えられた人)」を語源とし、障碍をマイナスとのみ捉えるのでなく、障碍を持つゆえに体験する様々な事象を自分自身のため、あるいは社会のためポジティブに生かして行こうとい意味で、広く使われ始めている言葉です。
しかし、日本の置かれた状況では、まず、障碍等を持つ人をアシスト・サポートする側が、その実力を社会で認められる存在になることに挑戦することが求められていると考えます。
今回、障碍者・高齢者等を対象とし事業展開する事業体の未来の経営者を目指す人達により、未来のサービス提供や経営管理の方法論について議論を深め、社会負担が増加する中で「社会に認められる事業経営」の在り方を一緒に考える場として研究会を設置するものです。