2022年3月1日
薬価制度に関する連載の4回目は、保険収載された医薬品の医療費総額(=薬剤費)のマクロ指標による管理についてです。
この20年間、薬剤費は高齢者数の伸びに応じて増加してきました。保険診療で利用される医薬品の多くは、高齢者が使用するものだからです。
一方で、covid19流行前、長期の景気回復傾向と言われ続けた割には、20年前と比較して、日本のGDPの規模は変わりません。この間、毎年のように国債発行による補正予算を繰り返していましたが・・どのような効果があったかについて、適切な分析と解説をしてくれる政府部門はないものの、経済の伸びと医薬品の伸びのギャップを問題視する人が増えてきたことは間違いなさそうです。
こうした状況下で、薬価制度に一石を投じるものとして、「薬剤費のマクロ指標による管理」が識者から提案されました。
今回は、薬剤費総額のマクロ指標による管理によって期待される効果、及びその導入の際の焦点について考えてみます。