2025年3月9日
個人的に工事手法・手順に関心があったのは階段の設置です。
従来の2Fへの階段は傾斜が急、かつ老朽化で不安定でしたのでその更新は必須でしたが、仕上がりよりは、その工事過程が楽しみでした。
従来の階段は、2Fが当初は農業用の物品置き場だったせいでしょう・・階段というよりは梯子に近い感じの急傾斜、それも老朽化で変形し2Fから外れそうな感じでしたので、過去に、手すりの設置と階段自体の固定(階段が落ちないように)を当該工務店に依頼したことがあります。
今回の改修では誰もが階段の更新は当然と思っていましたが、階段の途中に大きな梁が出ていて、それを避けて階段を掛け直すには一工夫いるなと工務店と相談していました。
最初は、真ん中に金属製の一本のバーがあって、その上に踏み板が乗っている一本桁階段を予定していました。両脇に梁などの出っ張りがあっても、桁が真ん中一本なので踏み板を調整すれば階段にできると考えたからです。
しかし、耐震補強工事により太い柱が階段脇に何本か追加された結果、それを元に新壁を作ると梁の出っ張りも従前より少なくなる~もちろん階段として有効利用できる幅は減るが、実用性に支障がないと考えた工務店は・・構造上支障ない程度に梁の一部を削って真っ直ぐな階段脇の壁を作る前提で、一般的な箱階段に変更しました。
工事が始まった状況を見に行った私に事後報告の形にはなりましたが、この仕様変更によって、早く・安くなると直ぐに理解したので、そのまま進行です。
想像するに・・オーダーメイドに近い一本桁階段の発注を忘れていて、仮に発注しても長女の転居に間に合わないということかと思いましたが、一本桁の場合に階段下を収納に利用しようとすれば、桁の下に遮蔽となる板を設置しなければならないと言われていたので、それなら箱階段のほうが簡単だし、下3段に引き出しつけるのも容易になると考えて、余計なことは言いませんでした。
しかし、一般的な箱階段でも、その工事過程を見るのは初めてでしたので、私は興味津々で、各部材の形状や組み立て方を、しばらく現場で見ていました。一番驚いたのは、「上から作る(写真)」ということです。低いほうから作り、作った段差で徐々に上に作っていくものだと勝手に思っていましたが・・梯子があれば上から作ることができるとわかって、「目からうろこ」の状態です。
続いて、階段下の状況を確認です。階段の傾斜が緩やかになり、階段下が広くなるので、それを収納に利用することは決まっていました。コスト削減等の意味から、床はフローリングをはらずに旧和室で不要になった畳1.5畳分を置く予定でしたので、その幅があるかを確認し、次は2Fで死蔵されていた母親の花嫁道具で持ってきたと思われる布団ダンスを畳の上に置けるかを確認し、大丈夫と回答を得ました。
この布団ダンスは、2Fから降ろす際に旧階段を通すことができずに解体屋さんに鉄骨部の屋上からロープで降ろしてもらった「曰くつき」のものだったので、特に心配だったからです。
しばらくして階段は使用可能な状態(階段引き出しは先送り)になり、2Fへの長女転居の最初の問題はクリアです。問題だった急傾斜は、概ね45度以下~住宅品質確保促進法の「高齢者等への配慮に関する事項」の基準では高い点数はとれませんが、それでも今の私には十分な及第点です。以前と違って、不安なく2Fに行けます。
なお、後日、階段下の収納部分に、畳を入れる段になって問題が発生しました。
階段下に壁を作る作業は工務店が依頼した別の職人さんが担当したのですが、最後に畳を入れることを工務店から知らされずに工事を行ったため畳が入らなくなっていたのです。やむなく新壁の下部を切断して強引に畳を入れましたが、完全には入りきらず畳表面の一部が今でも盛り上がっています。
一方、布団ダンスを入れることは聞いていたらしく無事にタンスは収納されました。開き戸の取っ手は自前で新品に交換・・死蔵されていたこれまでとは違い、和室で使う予定のこたつ布団を大事に保管するという立派な役目を果たすことでしょう。