2025年2月26日
父親が大切にしていた和室の建具は、父親の1年後輩の同窓生が代表を務める注文家具・建具専門店で作成されたものです。
これらの再利用等のため、注文家具・建具専門店に行き打ち合わせをすることになりました。
父親と専門店との関係は、建具の発注者という関係だけではなく、当該会社の敷地を賃貸借している地主という関係でもありました。父親が亡くなり、地主の立場は母親が引き継ぎましたが、母親宅から歩いて数分の距離にあることから、父親が亡くなってしばらくは、母親の様子を確認する意味も含めて地代を家まで持参してきてくれていました。
こうした関係ですから、再利用する建具のリニューアル等の発注は、この専門店にするしかありません。母親から「いただいている地代も、少しはお返ししないといけない」と言われていたこともあって、建具リニューアルのほか、新規に据付収納を発注する予定でした。
再利用する建具の置き場所の一つであるDK横~その主たる利用者である奥方とともに、専門店を訪問して打ち合わせ開始です。お相手は、父親の知人だった代表ではなく、その弟の専務です。
まずは、新規の注文家具です。置く場所の説明、入れるもののサイズ感(既成の布団袋3つ)などを説明して、あとは現地で確認してもらうことになりましたが、最後に恐る恐る「いくらくらいになるのかな~」と聞いてみました。
計算してみないとわからないとの事務的で真面目な回答に、さらに「建具合わせて最大○○万かな・・」と一方的に予算を宣言しました。凡そ母親が得ている地代1年分相当の額です。
これは工務店とは別の直接契約になりますが、費用支払いというよりは、いつもお世話になっているお返しという感覚ですので、改修費と言ってよいのかは迷うところです。
これに続く、最初の解体の際に既に保管を依頼していた建具に関する打ち合わせは、雪見障子・襖の張り替え、欄間のサイズ調整、ガラス戸に吊り戸金具の付設と、事前に工務店と話をしていた事項を含めて順調に話は進みました。
張り替える障子・襖紙の選定は、私がイメージを言って最後に奥方が同意して決めるという手順でしたが、奥方の領域で使う予定の板襖2枚については、少々、手間取りました。ネットで探して自分で購入した襖紙を専門店に送って張ってもらうという点は問題なかったのですが、どんなものにするかについては、奥方の不安・不満が表されました。
事前に奥方にはスマホで壁紙案を示して、「それはどうかと思う」と否定的な反応をもらうという経過がありましたが・・再度、その場で同じ壁紙案を専務に見せたところ、苦笑いされました。すかさず、奥方が「どう思います」と専務に同調を求めましたが、大人の専務は「決めてくれれば何でも張ります」との回答。
私からは、「今の板襖は裏に板がないので、それに新たに板をつけて襖が張れますか」と確認したところ、それはできるとの回答を得て、「表と裏で違う図柄を張れますよね」と続けると、「それはできますが、その場合には襖の向きが変わるので、敷居の幅を調整するか、4枚とも前後の置き場所を変えないと開かなくなります。」と技術的な助言を得ました。
私の奥方を説得する秘策は、「表面は私の好きにさせて。裏面はあなたの好きなもので。どっちを使うかは領域の責任者のあなたの判断です。」というものでしたが、渋々、奥方も了解して一件落着です。
奥方の領域には4枚の障子・襖が入る場所ができましたが、他の場所で使う予定の雪見障子2枚が不要になり、結局、4枚の雪見障子と2枚のデザイン襖を、時期にあわせて選択することに・・余りの2枚を隠して保管できる場所も領域内に作りました。
最初は、中心2枚は私の希望の絵柄(写真)でしたが、次は奥方の希望の藤の柄に、次は4枚とも雪見障子と順次変えていますが、初期の来客の反応をみて・・男性軍には私の絵柄が受けるらしいと気づき、今では初めての人には、他の絵柄をスマホの写真で見せて楽しんでいる様子です。
きっと、季節で「選べる」という点が、本当の彼女のお気に入りの点なのでしょう。
最後に、新設の注文収納~設置場所の天井・壁との整合性、色合いなど、注文家具としてさすがの出来栄えに家族も喜んでいます。工務店が他に頼んでいた据付収納他は、いつできるかわからない感じに業を煮やして、この専門店に発注替え・・現在では3つの注文家具が奥方の周囲にありますが、福井での楽しい時間の一助となっているようです。
費用は当初の予算の範囲内で終了・・数年後に、これに懲りずにデザイン襖の張り替えお願いする予定です。ちなみにデザイン襖紙の購入費用 2枚セットで裏表 計4枚で約2万円です。