老朽住宅改修 第24回 工事始まる(3)~和室西側の環境が一新

2025年2月23日

東側の介護室が概ね完成した頃に、和室西側での工事も進んでいました。床の間のある和室から外を見る景色が以前とは全く違っています。

 

この部分は耐震補強工事で西縁側が壁で区切られ、床の間裏にある納戸へのアクセスができなくなったことの代替ルートを作ることが主目的でした。

具体的には、西側に張り出していた既存の屋根と、既にコンクリートが打たれていた土間を生かして、安価にサンルーム兼用の通路を整えるというものですが、それだけでは面白くないと・・プラン作成段階で次のような視点からの細かな注文をつけていました。

 

 

1 勝手口の機能:鉄骨部で閉鎖する勝手口の代替機能を和室西側に持たせる。
 →外鍵付きの引き戸を設置。そこから家の北側を通って道路に出る場所に鍵付きの門扉も設置。
2 洗濯の機能:洗濯物を干す機能を和室西側に持たせる。
 →P社の天井から降ろせる物干竿やD社の別荘用の自動運転除湿器(室外へ自動排水)の設置
3 和室から見た見栄え:これまで放置されていた西側の小庭を活用する。
 →縁側との開口部にガラス戸・欄間を再利用、当該開口部の先はガラスの3枚引き戸(縁側との開口部と同じ幅で開く)、ガラス戸の先はウッドデッキ設置(当時は自前で設置予定)

 

工事着手時は、そもそも元の縁側が筋交いで行き止まり(写真)の完全なデッドスペースでしたので、どうなるのかと思っていましたが・・窓サッシや外壁工事との兼ね合いで先行着手され、比較的短期間で形ができました。

洗濯で一番使うと思っていた奥方は、奥の納戸も含めて、その出来栄えを絶賛です。

また、和室から見る景色も想定通り〜和室に続く縁側に新調された薄畳の向こうに一間幅の開口部があり、その先の3枚引き戸を開けると、ガラス戸の存在が見えない全開の小庭。

一間幅の開口部には再利用のガラス戸と欄間がつけられる予定ですが、どうなるかと楽しみな感じです。さらに縁側に何を置いて、外にも何を置いてと考えたくなるような空間となり、その後、種々のアイデアが家族からも工務店からも出ました。

 

実際の完成は工事の最終段階までかかりましたが、その後も50年近く経過する古い小灯篭を場所を変えて置き直し、内部にソーラーライトを入れて夜明かりにしたり、外廊下として設置したウッドデッキで古い火鉢で肉魚を焼いて、縁側においたソファーで来客に振舞うなどの遊びの空間に育ちつつあります。
まだまだ、みすぼらしい小庭を、時間をかけて変えていく将来の楽しみもあります。

 

なお、この一角では、床の間裏の納戸に旧和室の畳を敷いて再利用する予定でしたが、なぜか新しい畳が入っていて驚くという顛末もありました。
畳屋さんの間違いらしいのですが・・その後に続く工事業者間のコミュニケーション不足の前触れとは、その時は気づかず、笑って済ましてしまいました。それが、この場所における唯一の反省点でしょう。