2025年2月12日
約3か月の改修プランの作成を経て、改修工事費の見積もりが出てきたのが3月末でした。
当時、その額が妥当かどうかはわかりませんでしたが、第5回記載の経過のある工務店を信じて契約締結しました。
契約の形式については、既述の1Fと2Fの責任者を分けたことを背景に、少なくとも全体の基本契約と2Fの内装等の契約を別にして、基本契約は所有者の母親と奥方の連名で、2F契約は所有者と長女の連名で契約することは決まっていました。
しかし、見積もりの細部では、床・壁・天井を開けてみないとわからないこと、家具の耐震措置・壁掛けの物品の設置など素人実施は難しいが実際の数は不明なもの、さらには実際に状況を確認してみないと実施の要否がわからない農業用小屋の屋根の吹き替え(過去に雨漏りの形跡あり)といった事項は計上されておらず、また、工事現場を見ながら変更したほうがよいと思われる事項も当然発生すると考えて、概ね工事が終了する時期に、内容を精査した上で、最終工事として別途契約(200万を上限)すると工務店と合意しました。
工事中に生ずる追加案件を双方で記録・確認しつつ、予算上限の範囲内で、最終清算するということですが、これにより当初契約によくある「予備費」の計上額を圧縮して透明化するという効果があったことは間違いないでしょう。
しかし、数多くの建築資材の見積もりを持っていた国立病院機構の部長時代ならともかく、あれから15年以上を経た現在では、素人そのものですので実際の建築資材の取引価格がわかるはずもありません。また、建築資材が急騰していると報道が続いていた時期ですから何が正しいかの判断材料もありません。
そこで、これまで2件の一戸建て改修(父親の作った貸家・旧叔父宅)を依頼して、出来上がりが良く、価格も不動産会社経由で依頼するマンション1室の改修費と比較して安く感じたという実績を踏まえて、「えい やー」と 母親を説得して契約書に捺印です。
なお見積もり総額は、想定した予算より相当程度増えていたのですが、「改修場所も鉄骨部全体に広がったし、今さら女性陣に洗面・浴室も止めるとは言えない」と苦笑いし、この分は、私が父から相続した資金を、建物所有者の母親に貸し付けて支払原資を確保することにしました。元は父親の資金ですし、自分で持っていても、どうせ無駄に使う可能性大ですから(笑)
もちろ母親への貸付金は、母親が父親から相続した貸付物件の地代から、少しずつ返済してもらう予定です。
さて、今回、費用について、事後的に振り返ってみます。国土交通省の建築工事費調査で公表されている2023年データを尺度に、契約額の妥当性を検証しようという試みです。
新築の木造住宅の㎡当たりの単価が経年変化で公表されていますが、工事費予定額(=契約額)ベースでは2023年の全国平均は約21万円/㎡です。2020年には18万円/㎡を下回っていますので、報道のように、この数年で2割近く上昇したということがわかります。
都道府県別のデータも公表されていますが、東京は約23万円/㎡で全国平均より1割高い~当然田舎の福井はそれより安いと思っていたのですが、東京と同額の23万/㎡というのには驚きました。今回の工事進捗で何となく理解しましたが、他の地域に多くの職人が働きに行っており、福井の発注数に比して、県内で実際に動ける職人が少なくなっていることが要因ではないかと推測しています。
ざっくりとした考え方ですが、基礎からすべて作る新築と、少なくとも土台・骨格のある改修では、当然費用が変わります。しかし、今回の改修工事は、ほぼ全面的に見えるところは変えていますし、電気配線・給排水も総入れかえ、住宅設備も全替えですので、少なく見積もっても新築の半分以上はかかったと考えることは、自分でも納得できます。
これを前提に、今回の改修費を新築(福井)の半分以上の12万円/㎡と設定して、対象物件の延べ床面積を乗じると約27百万円となりますが、この数値は、改修工事の見積もり総額(耐震補強工事契約分・最終工事予定分は除く)を上回ります。少なくとも改修工事の契約額が高かったとは言えないように思います。
この考えが正解かはわかりませんが、私自身を納得させるには十分です。
今後20年分の安心感・物があふれにくい空間、遊びのある生活感など、満足度は高いからです。