2025年2月9日
壁紙に続いて遊んだのは扉です。
介護用の特殊な扉を3枚使った反動か・・1F北側の公的性格のユニットに属する扉で遊んでみました。
扉については、2Fは長女の選択でW社で統一、1Fは「両側折れドア」のL社に決まりましたが、1Fの耐震補強で新設した分厚い壁の開口部=開き戸しか選択がなさそうな扉部については、扉があることが直ぐにはわからない「隠し扉」を取付けたいと考えたのです。
古い物を再利用するため建具の再利用法を検索しているうちに、隠し扉というワードに関心が行き、いくつかの方法があるとわかり、これならできそうだな・・と考え始めたのがきっかけです。
まず最初は、玄関ホールから北への廊下の開口部につける扉です。
この扉には、前回の「数枚がセットで一つの絵になるタイプ」の「モネ」の壁紙を張ることになりますので、条件としては「玄関からは壁に見えること=扉は一枚の板であること」「閉まっているときは、少なくとも隣の壁と同じレベルにあること=扉と壁の区別が容易につかないこと」が必須でした。
この扉は、機能性ではなく、完全に見栄えに拘ったものです。
これを実現できそうなS社の金具をWEB検索で見つけましたが、2タイプ(押して開くもの・引いて開くもの)あり、隣の壁の厚さにより、いずれが良いか変わると思ったので、「条件達成する いずれかの金具でお願いする」と、あとは工務店に委ねて、概算で積算計上して工事契約となりました。
次は、「モネ」の扉を開けて、玄関ホールから北向きの廊下を通って、和室に行く場合のことを考えました。
和室には襖(廊下側は青の壁紙)を開けて入ります。その襖の左右には階段下の納戸と事務室に入る2つの入口がありますが、これらが通常のドアだったり、カーテンだったりすると面白くないと感じました。特に、階段下の納戸側には、前回の「ピカソ」の壁紙が張られるので、できれば扉があるようには見せたくないと・・そこでWEB検索で見つけたS社の「隠し丁番」を使って、薄い棚(=写真を置く程度の棚)を扉にできないかと工務店に打診しました。いわば棚付き扉です。
工務店も初めての依頼だったようで・・最初は、乗り気でない回答でしたが、隠し丁番のURLを送ったりしていたら、S社の金具は当該工務店でも使っているとわかり、大丈夫だろうという前提で工事の積算に組み込み。最初は階段下納戸だけでしたが、工事開始後に事務室側も追加発注しました。
最後は、和室を洋室化した2室間の扉です。非常口確保のために、当該2室(介護室と事務室)の間に出入口を設けると決めたのですが、その扉をどうするか・・という問題です。介護室には母親が外泊する予定でしたが、そこに扉があるとわかると、意味もなく開けることは明白でしたし、開けた先で私が事務仕事をしている可能性は大なので、必ず一悶着起きると容易に想像できました。
そこで隠し扉=棚付き扉の出番です。それも厚めで音が通りにくく、開けるのにも一定以上の力の必要な重量級のもの=母親が簡単に開けられないものという条件で積算に計上です。
以上の3つの施工については、考えられない珍事もありましたが、それは又の機会にするとして・・仕上がり後の状況を言えば、家を訪れる人のうち、男性の人は、ほぼ全員 興味津々という感じです。特に、建築業関係の方は、「どういう金具を使ってる?」「金具はどう働くの?」と、扉の動きに注目します。
一般の人は、まず玄関で「モネ」の壁紙で感心し、その左端が手前に引くと開く扉だとわかって驚き(写真)、その奥の「ピカソ」の壁紙に呆れて、左右の棚が扉であることに驚き・・さらに事務室から介護室に抜けて、振り返ると、そこが棚になっているのに呆れるといった感じでしょうか。
単発の隠し扉に驚くというより、アクセントクロスと隠し扉が連動している空間を楽しんでいる・遊んでいる感じです。当初は、そこまでは考えていませんでしたが、大人のかくれんぼ~隠れて相手を驚かすという形になっているのかもしれません。
扉で遊ぶつもりでしたが、出来あがったのは忍者屋敷かも・・と自分でも驚いています(笑)
なお、隠し扉は改修だからこそできる「遊び」という自覚はあります。
新築で隠し扉は確実に家族が不採用でしょう・・しかし、玄関ホール以外の棚付き扉はメーカー既成の扉より安い積算ですので、決して高い遊びではありません。