2025年1月26日
最初は居室内の整備だけのつもりでしたが、改修プランが充実していくことにあわせて、徐々に、介護対応を考える場所が広がって行きました。
まずは、介護室周辺の環境整備からです。
介護室のカーテンをくぐると玄関に隣接する東ホール。そこに出ると足元に常夜灯・天井照明は人感センサーで自動点灯です。
左を見ると直ぐにトイレのドア。右を見ると玄関ホールに出るドア。正面はリビング兼来客用寝室の引き戸です。
左右のドアは、「両側折れドア」という、どちらからも押して開けるというL社の特殊なタイプのもので、高齢者が苦手な「引く」という作業は不要です。介護室からトイレへの移動、玄関から介護室へのデイサービスの際の移動などに便利か・・という考えです。
当初は、玄関ホール側の扉は不要かと思っていましたが、別の理由でドアをつけることにしました。しかし、介護室の入口がカーテンであることから、工事後の状況をみると、結果的に、要介護者のプライバシー確保の面から、ドアにして正解でした。
トイレは、町中の多目的トイレほどではありませんが、奥行は230㎝、幅は125㎝と大きなもの(写真)で、仮に介護者付きで車いすで入ってもドアは閉まります。ちなみに奥行を決めた扉位置の指定は工事が始まってから~遊んでいたトイレ前の有効活用でした。工事の段階で、設備屋さんから、「こんなにトイレが広いのはなぜ?」と聞かれましたが、用途・狙いを説明したら、変に納得されたのが記憶に残っています。
当然、トイレの出入口から用を足す「指定席」までは手すりがあり、指定席横にも転倒防止のための可動式の手すりを設置です。外泊時に、実際に使った母親から、「指定席」に移乗しにくいと言われて、介護用品=天井までの高さの縦の握りバーをレンタルして設置しました。これが容易なのもトイレの広さのお陰でしょう。
また、正面のリビング兼来客用寝室は、常時、人が居るわけではないので、要介護者の知人が来た時の談話室にもなり、母親が一時帰宅した際の奥方の見守り場所(寝具あり)にもなる・・という算段です。
玄関ホールに、玄関から介護室に向かうまでの壁に手すりを設けて、これで完了かと思いましたが、既述のように洗面・浴室も改修することになり、さらに介護対応の範囲は広がりました。
ここまで来たのなら・・と、1Fは、北側の和室に上がる部分に敷居があるだけで、あとは玄関ホールに上がれば、浴室内も含めて、全てフラットな床にしました。ちなみに和室に上がるときのために可動式のスロープも購入し、さらに和室から移動する縁側・サンルーム・納戸は全て畳の高さと同じ=フラットになっています。玄関ホールから洗面浴室へ移動する動線上の扉は「両側折れドア」と「引き込み戸」とし、車いすでの移動に必要な要素を考慮しています。
工事での仕上げは玄関ホールの3面(東西北)とDK入口に手すりの設置、最後は、自前で玄関先の外手すりの足元にスリップ防止のゴムマット(業務用)を購入し、それを敷いて完了です。
自分が、この家で衰えて介護生活を送る時を想像するに、その時の徐々の変化には耐えうる環境にはなっていると思いますし、その時でも近くのリビングで短いながらも楽しい時間は過ごせそうな気がします。
しかし、当面は母親の一時帰宅の受け皿としての活用。口うるさいオーナーも、今のところは不満はないようです。
また、母親のケアマネさんからも「デイサービスを受け入れて欲しい」と伝えられ、お世辞とは知りながらも、小さな自分の成功に満足しています。