旅の楽しみ87:10年ほど前から考え始めた「季節ごとの棲み替え」の試行に着手

2025年11月7日

全国を見て歩いていた10年ほど前から、季節ごとの棲み替えを考え始めました。
知人が別荘を持ちたいと話すときなど、「不動産を持つと後世代が処分に困る」、「全国良いところが多いので、あちこち住んでみるほうが面白い」「1週間から数か月住める住宅の選択肢は多い」と伝えて、季節ごとの棲み替えを勧めてきました。
私のイメージは、3か月程度住むという前提なら、春は奄美以南(花粉症がない)、夏は釧路・根室(全国で一番涼しい)、秋は東北(紅葉が美しい)と決まっていて、冬だけは決まっていません・・と付け加えていました。

 

さて、今回、次のような条件が整ったので、1週間のショートステイのトライアルを秋田で行いました。
〇仕事の面では、WIFIさえあれば、WEB上で仕事ができる。
〇東京での生活を数日にして、福井で長期過ごすことにスタイルを変えた。
〇福井での生活の結果、食事・洗濯等を自前でする習慣が身についた。
〇奥方も東京拠点で、30年ぶりに仕事を始めた。
〇東京の住まいも奥方と長男の2人住まいも安定した。

 

いきなりの3か月滞在は、心理的なハードルも高いので、まずは1週間から・・
秋田市内の千秋公園の近くのウイークリーマンションを2か月前に賃借し、10月末に福井→東京→秋田と自車で移動。以前から行ってみたい温泉が岩手・秋田県境にあったので、途中で立ち寄り・・身を清めてから秋田のショートステイの始まりです。
宿泊先は、いわゆるワンルームマンション。指定された駐車場に自車を停めて、福井から運んできた衣服・途中の道の駅で調達した食材等を部屋に搬入し、据え付けの家財道具を点検・・夕食を試しに作って初日は終わりです。

 

翌朝、毎朝行ってみようと思っていた千秋公園に足を向けると・・入り口にクマが出たので立ち入り禁止の張り紙(写真)が。こんな中心部にクマがと思いつつも、家族からは「クマに近づかないよう」と厳命されていたので、すぐに現地を立ち去ることに。
後日、近所の商店でクマについて聞いてみましたが、「こんなことは初めて」「どこから来たのかわからない」とのこと。秋田を離れた日にクマは捕獲されたとのことですが、ちょうど秋田滞在中、千秋公園が閉鎖されるという残念な結果でした。

 

その後は、前日に行き先~紅葉の名所+温泉+道の駅等~を決めて、秋田県内を自車で移動。秋田県内の移動距離は1,500kmを超えて、改めて秋田は広いと実感しつつも、地元福井に比べると、主要都市間を結ぶ道路網はよく出来ていると感心。
もちろん主要病院も確認しましたが、その中でも県立病院を国に譲渡して大学病院にしたという歴史を確認して驚くともに、当時の行政関係者の賢明さに、またも感心。大学、県立を含む公的4病院が福井市に集中し、あとは事実上の医療過疎の福井とは大きく違うようです。

 

今回、最も記憶に残ったのは、秋田県立博物館で知った「菅江 真澄」という江戸時代後期の旅行家、本草学者。三河国出身~信越・東北・北海道を旅し、最後は秋田。展示されている数多くの文書・絵画を見て、こうした生き方は羨ましいと思ったところです。
弘前で行動不審を問われ日記や紀行を押収され軟禁されるという不遇もあったとのことで、本人自身が悔いの残らない人生だったと思ったかは不明ですが・・

 

予定の期間を終えて、無事に東京経由で福井着。
今回の試行を振り返ってみた次の結果を踏まえ、今後の方針を模索中です。
〇1週間では気ぜわしいが、3か月通しで暮らすのは、やることが無くなりそう
〇1週間程度なら、昔ながらの湯治を試すのもよいか
〇次は2週間程度の期間で、目的を明確にして滞在するのを試してみるか
〇福井・東京への土産のつもりが、買いすぎて仕入れになったのは失敗(秋田は日本酒だけでなく、奥方・長女の好きなクラフトビールも多い!)
〇地元の食材で自炊するのは面白い(調理メニューの選択肢が広がる!)