行動観察37:謹賀新年か寒中見舞か

2023年1月15日

謹賀新年~年賀状の最初に書く言葉としてよく選ばれている四字熟語。他にも新年の挨拶に使われる言葉は数多くありますが、最も使われている言葉のように思われます。
いつ頃から使われ出した用語かと気になり検索してみると、既に、先人が東京都立中央図書館に調査依頼した結果を見つけました。こうした仕事を図書館がしていることを初めて知り、デジタル時代においてこそ図書館が大事と、改めて思った次第です。

 

さて、その結果を引用すると・・・「真説事物起源大辞典(復刻版)」の「年賀葉書の始」の部分にある記載~「明治七、八年頃、年始廻禮の代はりに、『謹賀新年』とか『恭賀新年』などゝ葉書に認(した)ため、年頭の祝詞とする風が起こつた。」との記載が最も古いとのことです。
前年の明治6年(1873年)の元日は、太陽暦の新暦への改暦が施行された日~太陰太陽暦だった旧暦(天保歴)では12月3日が、突然1月1日になったのですから、その新暦の元日に「年始回り」などが行われず、旧暦1月1日(新暦の1月末)に行われたことは想像に難くありません。
その後、明治6年中に行われた郵便料金の全国均一制実施、郵便はがきの発行開始、統一された日付印使用などの郵便事業の整備も背景にして、翌年からは、新暦元日に何もしないのを憚った政府(役人)を中心に「謹賀新年」等と葉書に書いて年頭の祝詞とすることが推奨されたと考えるのは・・・考えすぎでしょうか。何となく官製の「不要不急」が連呼された数年前を連想します。

 

私自身は21世紀になってからは、自ら年賀状とは縁切り~寒中見舞いに一本化しています。
中国赴任前は、年末に数百枚の年賀状作成~ほとんどが仕事の上での付き合いが積み重なったものでしたが、中国勤務を機会に整理することに・・・年賀状の季節に日本にいないこと・年末年始の作業が大変なことが主要因でしたが、そもそも記載されている「謹賀新年」「迎春」といった言葉の印象が、自分の生活感にそぐわないと思ったことも記憶にあります。
季節の変わり目を示すものとして24節季がありますが、今は小寒から大寒の間・・これから寒くなる小寒の前の元日に「謹賀」「迎春」と言うのは、季節感がないという直感です。やはり、1月後半の大寒を過ぎて旧正月~立春~雨水となれば「謹賀」「迎春」・・今の年齢で感じる季節感には合います。

これまでの60年は学業・仕事を中心とした期間でしたが、干支が一回りして振り出しに戻ることを契機に、グローバル・スタンダードの暦から外れて、日本の季節感を大事にした旧暦を念頭に暮らしてみようかと思います。旧暦の新年元日は1月22日・・まずは、神社への参拝。その後は、24節季に応じた行動・過ごし方を試してみます。

 

今回、毎年慣例として続けてきた寒中見舞いについても調べてみましたが、「年賀状関係の何らかの返事」か「豪雪地帯・寒冷地での相手を気遣う手紙(暑中見舞いも同じ趣旨)」という意味で、歴史的な由来は不明でした(ご存じの方は、教えてください)。

この結果も踏まえ、長年、出し続けた「寒中見舞」も、個人の暦が振出しに戻ることにあわせて、最後にすることにします。
〇過去の学業・仕事を中心とした年賀状関係は、還暦でリセット。お互い書状だけの交換は終える時期でしょう。

〇新たな個人の暦においても、お付き合いが続く方には、私の感じる季節を、冬に限らずHPで見ていただければと思います。

 

ただの「手抜き」かもしれませんが、皆様、ご容赦ください(笑)

もちろん、ご一報いただければ、宴席その他 駆けつけます!