2019年9月15日
五里霧中~どうすべきかの方針や見込みがまったく立たないこと。元々は「後漢書」にある語であり、「ある人物が、五里霧(五里四方にもおよぶ霧)を術で起こし、姿をくらませた。」という故事に基づく四字熟語です。
この1年間、隣国との不協和音が日に日に大きくなっています。戦後処理の問題に始まり、輸出入管理の問題、そして安全保障上の情報交換の問題へと拡大したと連日のように報道され、今は政権の主要ポストに任命された人の話題です。政府間では、対話するきっかけもなく、今後どうなるかは「五里霧中」の状態です。
本来、利害が異なる別の国なのですから、和音ばかりということはなく、不協和音が生じるのは当然ですが、外交上手の国では、分野分野で、合意できることと、対立することを分けて行動するものです。合意できることを増やしつつ、対立することについては、双方の立場を明確にしつつ協議を継続すると合意するなど、全面的な対立にならないようにするものですが、双方に、こうした発想がないと、隣国との関係は対立一辺倒になるしかありません。
これは、隣人や身内との関係も同じかもしれません。
音がうるさいと頻繁に苦情を言ってくる面倒な隣人などは、言い合いをすることなく、極力、つき合わないようにすることで、大概、軋轢はおさまるでしょうが、身内となると、そうもいきません。
末期がんで最後の時間を送っている父親が、本日、軽い脱水症状で入院することになりましたが、そこに至る数日は、なかなか大変なものでした。
同居する母親の負担にならないよう、週3回のデイサービス、デイのない日は4回の訪問介護・看護(計4~5時間)に入ってもらい、栄養摂取や健康管理の体制を整え、父親が不調を訴えたときの手順(入院含め)も専門職と確認して福井を離れましたが・・
その翌日、父親の飲み込みが悪くなり、水分や栄養補給が少し停滞したところ、「怖くて水も食事も出せない」「私には手に負えないので入院させろ」との連絡が届きました。専門職に食事などを任せているので、母親が自分でやることは、ほぼないのですが、こちらの意図を理解する気はないようでした。
こうなると母親に何を聞いても、言っても、感情に任せた、その場だけの反応しか返ってこないので、予定通り、サポートしている専門職に状況を聞いて、いくつかの対応を試してもらい無事に課題を越えそうだったのですが・・・夜に脱水症状と思われる発汗が出て訪問看護師が急行、各種数値は正常だったものの、念のためということで入院することになりました。
どうしてよいかわからない・・母親の五里霧中の気持ちはわからないではありませんが、「東京で仕事なんかしないで、福井でずっと父親の面倒見ろ」などと言い出すようでは、何を言われても「泰然自若」のフリをして事にあたるだけです。隣国、隣人のように冷却期間を置くのも難しいですから。
さて、条約に基づく協議も拒否する隣国政府との関係改善は、今のところ端緒がないのは間違いありません。短期的に、あれこれ模索するのも大事でしょうが、最終的には、隣国の民間部門が、日本とどう付き合うかと考えるかにかかっているのでしょう。
幸いに選挙で政府部門が変わる国ですので、それまで冷却期間を置く・・こうした泰然自若な対応~中期の視点の行動も選択肢なのでしょう。身内との付き合いとは違うのですから。