旅の楽しみ78:国産み神話の候補地 沼島でなごり鱧を食す(離島訪問)

2017年9月16日

今月は、淡路島の南に位置する沼島に向かいます。
沼島は、記紀の国産み神話で、伊弉諾尊・伊弉冊尊の二神が最初に降り立ったとされる「オノゴロ島」の候補地の一つです。神話では、その島で二神が夫婦の契りを結んで国産みを行い、最初は淡路島~その後次々に島を生んで日本国を造ったと記しています。

 

今回の目的は、こうした神話の香りのする地で、なごり鱧~産卵を終えて食欲を取り戻し再び脂がのった鱧を食べることです。
当初の予定では3連休中に沼島に向かう予定でしたが、残念ながら連休に入ると宿は予約で一杯・・・関西の大都市から近いこともあり、人気の地なのでしょう。やむなく連休の前日の15日にしましたが、結果的には、連休中に猛威を振るった大型台風を避けることになったのは幸いでした。

 

大型台風の襲来の予報を聞きながら、羽田から四国に降り立ちましたが、青空も見える天気・・沼島に向かうには時間に余裕もあると、気分もよく、ある観光名所に立ち寄りましたが、ここで失敗しました。
急な階段を上ったり下りたりして疲れてベンチで一服・・駐車場からレンタカーで動き出し、眼下に見える都市の風景を見ているところで気づきました。いつも持ち歩いている黒い小さなカバンがない!!
あわてて車を反転させ・・駐車場から、歩いた道を小走りで戻り、あちこちを確認・・一服していたベンチで、静かに主の戻りを待つカバンを発見。事なきを得ました。
このカバンは、新幹線に置き忘れたり、店に置き忘れたり、何度か紛失の危機を迎えましたが、その都度、無事に手元に戻ってきました。だいぶ古ぼけてきましたが、これからも大事にすることが必要なようです。私自身が古ぼけてきて、いろいろ間違いを仕出かしても、必ず戻ってくる「忠実」なカバンなのですから。

 

しかし、このトラブルの結果、1時間近く時間を無駄にして、沼島に向かう渡し船の乗り場に着いたのは出発の数分前・・駆け込みでしたが、何とか予定の船に乗ることができました。
10分ほどで沼島に到着。宿の最上階の港の見える風呂で、本日2度の「冷や汗」を流してから、目的のなごり鱧を堪能して、無事に初日を終了しました。

本日は、朝食後、出発の時間まで島内を散策することに。宿の女将のお孫さん8人が通うと思われる小中学校の前を通って、島のシンボルと言われる上立神岩(写真)に到着。それから集落に戻って神社仏閣を参拝。ここで時間切れ・・神話に所縁の「おのころ神社」まではたどり着きませんでした。しかし、神話の前月の神島とは違って平坦な地形なのですが、ほとんど車がないことに不思議な感じがしました。

 

駆け足の滞在を終えて、淡路島側の土生港に戻ると、大きな駐車場に車両が多数停まっているのを見つけました。昨日は、駆け足で気づかなかったのですが、島の人の車は淡路島に置かれているとのこと。市内に買い物をして、港に車を止めて、船で島に戻る・・・一種のpark and rideです。こうした島の交通のあり方もあるのかと思いながら、雨が降り出す中、台風の通過経路と予報される四国に戻りました。
島には漁船クルーズなどもあるとのこと。天気が良い日に、初夏の鱧を食べに行きたいものです。