2015年8月30日
今回の離島訪問は、伊豆大島から神津島へと移動です。
長年、東京に住んでいますが、残念ながら、東京に属する伊豆諸島に行ったことはありません。東京では、学生時代に伊豆諸島に遊びに行く人が多いようですが、私の学生時代は、出不精で貧乏・・50歳を過ぎて初めて伊豆諸島に足を伸ばします。
29日朝、福井を出て、品川~竹芝桟橋と移動し、そこからジェット船です。竹芝桟橋は、10年以上前、小学生の次女が、八丈島での夏休みキャンプに参加した際に、見送り・出迎えた場所ですが、あの時は台風の影響で帰りの船が欠航に・・。その時ほどではありませんが、出発時から既に雨です。
伊豆大島には、2時間も経たずに到着ですが、想定していた元町港とは違う港に到着・・。
慌てて、予約していたレンタカー会社に電話し、「考えていた港とは違う場所に着いたので、これから、そちらに。」と伝えると、「店の者が、車を用意して港に待機しています。」とのこと。事前に何も言っていないのに・・と不審に思い、レンタカーを探しあて事情を聞くと、「大島では日によって使う港が違います。朝になって使う港が決まりますが、もし、岡田港になると車を港に運ぶのです。明日も、朝にならないと港はわからないので、ホテルに確認してから、出港地に来てください。我々がいますから。」との由。
さらに、他の伊豆諸島でも同じと聞いてから出発しましたが、車で大島一周道路を走っていると、出港地という目的地のバスも見かけます。日によって、目的地が変わるというバスの存在も面白いものです。実際に来てみないとわからないことがあるな・・と、改めて、現地確認の面白さを実感です。
まずは、三原山の山頂火口を目指しましたが、残念ながら、霧で何も見えないため、火口までの散策も諦めました。また、島内では、椿を数多く見かけましたが、残念ながら、今年3月に、五島で聞いた「五島椿を伊豆大島に送った。」という場所は確認できませんでした。予定とは異なりましたが、何とか、島を一周して初日の予定を終了です。
本日は、伊豆の島々を造った神々の集会所となったといわれる神津島へジェット船で移動~下田行のフェリーまでの間、島内を見て歩く予定でしたが、大島と同じく、神津島でも想定していた港とは別の港に到着。当日にレンタル原付を借りて移動しようかと思っていましたが、到着した港には、何も店舗はなく、バスやタクシーといった移動手段もなく、ただ港があるだけ・・。事前にレンタカーを借りていれば、大島と同じように動けたのでしょうが、少々、判断が甘かったようです。
電話でタクシーをお願いしましたが、島内2社のタクシー会社のうち1社は数日前に営業終了(夏の終わりとともに)・・、当社2台で回しているので、1~2時間の島内観光は、今はお受けできませんとのこと。やむなく、中心部の食堂まで送ってもらい、そこで食事がてらの時間調整・・。
しかし、暇と思った食堂は人でいっぱい(売店のパンを購入)、下田行のフェリーに接続するバスもなし、フェリーに乗る何人もの人がタクシー会社に電話をしている様子で港に戻るタクシーもいっぱいと、不思議な感じです。
大島では、毎日行先が変わる港行のバスがあるのに、神津島では、お客は結構いるのに船に接続するバスもなし(バスターミナルには休憩中の数台のバスがあるのに)・・。同じ伊豆七島でも、結構違うものです。
それでもタクシー会社にお願いすると、タクシーではなく、会社の方の一般車両がお迎えにきました。
少々、驚きましたが、港までの移動時間、あれこれ島に関し、島出身の若者を質問攻めに。
「宅急便などの配送の仕事が基本ですが、タクシーはもちろん、金属の選別など、何でもやらないと島では食って行けませんね。」
「10日前まででは、お客さんで一杯でしたが、今は学生さん程度。これからは釣りやトレッキングの人が中心。ただ、冬は風速20m以上の風が何日も続き、外に出るのも大変。冬は来るところではないかも。」
「高校を出ると東京に出て、結婚して島に戻る人が多い。今は、中学校から島を出る人も増えて、島の高校(分校)は、30人程度しかいない。ただ、いじめなどはありませんが。」
「島には1か所診療所がありますが、年に数人は、ヘリで広尾に運ばれます。冬場には高齢者が倒れることも多いので、見回りや声掛けなども大事です。」
と、気さくに教えてもらいました。他の島でも聞く話ですが、中学校から島を出るのは、中高一貫が多い東京ならではかもしれません。
彼に別れを告げてフェリーに乗ると、島のお巡りさんが、船会社の人と一緒に、乗客のお手伝いなどをしている姿をみかけました。防犯上の必要性から、船が着くたびに、港に顔を出すのでしょうが、本来の仕事を超えて一緒に働く姿をみると、島では、こうした一体感が自然と生まれるのだろうな・・と思いながらも、なかなかできないことと感心していると、船が動き出しました。
港を出た船から、神津島の景色・・雲に隠れる天上山の姿(写真)を見ながら、今回の離島訪問は終了です。
いずれまた天気の良い時に、また伊豆諸島に来たいものです。