旅の楽しみ57:曇天の礼文島、晴天の利尻島 涼しさに感謝する旅に(離島訪問)

2015年7月12日

今回は、最北の都市 稚内から西へ約60kmに位置する礼文島・利尻島です。

 

礼文島は一島一町で人口は3千人を下回る規模、利尻島は一島二町で人口は5千人程度の規模です。
いずれも人口減少が続き、高齢者の比率も3割を大きく超え、間もなく4割に届くかという状況ですが、一方では、数多くの高山植物を目当てに、数多くのトレッキング客が集まる地域でもあり、花の咲く季節には、人の交流も増えて活気の感じられる場所です。

 

さて、10日午前に北海道に入った頃には、天気も悪くありませんでしたが、日本海に沈む夕陽や海の向こうの利尻山(利尻富士)を期待して、サロベツ原野の中を走る「日本海オロロンライン」を北上する頃には、曇天となり、風も吹き始め・・そこに期待した景色はなく、サロベツ原野の厳しさを感じることになりました。さらに、稚内に着く頃には、強風波浪濃霧注意報が発令され、ホテル前に車を停めてドアを開けると、自動ドア状態・・風で勝手にドアが全開になるほどの強風が吹き荒れていました。

 

礼文・利尻に向かうフェリー出航が心配されましたが、翌朝には、風もおさまり、早朝予定通りに出航。9時前には礼文島に到着です。
予約していたレンタカーを借り受ける際に、島の観光説明(1周約3時間)とともに、他では聞かない、2つの注意事項がありました。一つは、地図に記載のある林道には、車を乗り入れないこと。もう一つは、駐車の際には、隣の車との距離を広く開けて、かつ風に向かって止めることでした。その時は、意味がわかりませんでしたが、あとで実感することになりました。

 

観光説明に従い、島の北端 スコトン岬を目指しましたが、天気が目まぐるしく変わります。最初は曇天、次に晴天、岬周辺は雨天と、いわば「どんでん返し」が続きます。風が強いために起きることなのでしょうが、これほど変わることは初めてです。
岬では、近く以外は、ほぼ何も見えない状態・・サハリンなど影も形もありません。周囲に咲いている高山植物の花を、関心のあると思われる奥方にFBで送付しましたが、強風の寒さに負けて、「島の人礼文島本店」という店に駆け込むことに。しかし、なかなか良い品揃えでしたので、早速、海産物セットとウニ折詰を宅急便で注文~今晩、食べる予定のウニ料理を前に、家族にお裾分けです。

 

駐車場に戻ると、隣に、明らかにドアがぶつかって凹んだ跡がある車が近くに止まっていました。レンタカー屋で聞いた注意事項の一つは「このことか・・」と、昨晩の稚内のホテル前のことを思い出し、慎重にドアを開け、早々に駐車場を出発です。途中、狭い道に入ってみましたが、ピークは過ぎたものの高山植物の花が咲き、ご夫婦と思われる2人連が何組も歩いていました。ここは車OKのようでしたが、島の西側はトレッキング専用の道になっているとのパンフレットの記載を見つけ、注意事項のもう一つは、「トレッキング客とぶつからないよう林道には入れない」ということかと理解しました。
何事も、聞いただけでは、わからないものです。

 

無事、礼文島での予定を終えて、午後一のフェリーで利尻島に渡りました。本来であれば、礼文からも利尻山が見えるはずなのですが、曇天と霧のため何も見えません。しばらく席で寝ていましたが、目覚まし代わりに、デッキに出ると利尻山が見えだし・・そのうち晴天となり、山が鮮やかに見えました(写真)。
利尻でもレンタカーを借りましたが、観光説明と共にあった注意事項は、「山の反対側は礼文と同じく荒れているようですので気をつけて」というものでした。説明に従い、島の周遊道路を時計回りで走り出しましたが、礼文とは違って、あまり山に向かって入って行く道はありません。高い山が中央にある利尻では、車の走れるような林道は少なく、あっても登山道ということのようです。
山の反対側に来ると、確かに曇天となりましたが、「ダメかもしれませんね」と言われた5合目の展望地に向かうため、島で唯一の病院を横目に道を曲がると、途中はともかく・・展望地では晴天。反対側とは違った山の姿・・利尻富士と言われるような形が綺麗に見えました。

礼文での不調は、利尻でお返しいただけたようです。

 

その後も、利尻では晴天は続きましたが、わずか10kmくらいの距離で、これほど両島の天気が違うのも不思議な気がします。ホテルの人に聞くと、いつものことのようですが・・何とも釈然としません。
利尻の宿で、北海道内でも35度を超えるような地域もあったとの天気予報を聞き・・昨年、北海道帯広周辺に行った際に、涼しさの期待に反し、その日、日本で最も暑い場所となったことを思い出し、「曇天・雨天でも、暑いよりはまし」と、今回の不思議な天気に感謝することに。

 

温泉に浸かり、5月の奥尻で食べ損なったウニ料理をいただき、ウニへの「リベンジ」も終了です。
保存加工されずに食べる地元ウニの美味しさに、来年7月頃に、また北海道の島に行くことに決めました。