旅の楽しみ48:九州の最西端 温かい日差しの五島列島へ(離島訪問)

2015年3月15日

今回は九州の最西端 五島列島への訪問です。

100を超える島々で構成される五島列島ですが、大きな島は北から中通島、若松島、奈留島、久賀島、福江島の5つ・・これが五島の名前の由来です。これらは、平成の大合併で、北の2島を中心に新上五島町、南の3島を中心に五島市へと統合され、現在の人口は計6万人~奄美や佐渡と同じような規模です。

 

さて、13日、経営改善に頑張る長崎県内の某法人の若手経営陣との意見交換を終えて佐世保に移動し、高速船で中通島に向かいました。当初は、大型の船の予定でしたが今は点検中~このため別の船を利用したのですが、それが漁船と同じような船。小さな波でも結構揺れ、90分後に中通島に到着したときには、すっかり船酔い・・食事をしてからホテルという予定は、食事は抜いてホテルへと変更です。

 

レンタカーを借りに行くと、1時間ほど予定より早いにもかかわらず、快く手続を始めてくれます。

手続を待つ間、「船はよく欠航するのか」「病気になったら船で佐世保に移動か」「ドクターヘリの利用も多いのか」といった旨の質問をすると、「高速船はよく欠航するが大型フェリーの欠航は稀」「病気で必要があれば長崎に」「脳神経系の疾患だとヘリで大村の医療センターに行く」との回答です。中通島唯一の病院では対応が難しい場合には、船やヘリで患者が移動するシステムが定着していることがわかります。なお、大村の医療センターは、国立病院機構長崎医療センターのことですが、数億円かけたヘリポートがあまり利用されなかった時代を知る者としては、現地で、こういう話を聞くと嬉しくなります。

 

嬉しい話を聞いて船酔いも少々改善したので、ホテルの前に、海に沈む夕日を見ようと中通島の北端・・津和崎に向かうと、予想通りの良い景色に、さらに気分も戻ります。やはり何か食べようと、飲食店をスマホで探すと・・何と、海の向こうに見える小値賀島に所在する寿司屋他が検索されます。「島ではこうした事も起きるのか」と変に感心して、初日の活動を終了です。

 

14日は、数多くある教会のいくつかを見学しながら島内を一周です。

しかし、どこに行っても男1人は私だけ。女性複数の観光客、または男女の2人連れです。中通島自体は、平地も少なく、急峻な山の中腹を道路が走るような所ばかり・・いわば男性的な島なのですが、実際に、その地を訪れるのは女性が中心というのは面白い組み合わせです。

長崎県病院企業団(長崎県と複数市町村の一部事務組合)が設置する病院や診療所もこの目で見て、名物の五島うどんも賞味し、最後には若松大橋(写真)で若松島にも足を踏み入れ本日の予定を終了~夕方の船便で、今回は行く予定のない奈留島、久賀島を右手に見ながら福江島に到着~あとはホテルで寝るだけと思いきや、面白いことが待っていました。

 

宿泊したホテルの指定する食事場所に行くと、ご高齢の男性が食事の準備をしていました。どう見ても調理師には見えず・・変なとこに来たな・・と思っていると、急に話しかけられました。昨年亡くされた奥様の話からでしたが、いろいろ聞いていると、私の父親と同世代の当該ホテルの創業者、20歳代に奄美とのバーター貿易で成功した商売人、今は五島の椿を増やして全国に広げる活動をしているといったことから、五島一の実業家を目指して頑張った話、バブル時代に大型リゾート投資を迷った話、税務当局との交渉話など、ここでは書けませんが、彼の実体験に基づく裏話に笑い続けました。
本人が出ている新聞記事をお土産にいただいた代わり、彼が仲介して実現した伊豆大島への五島の椿苗の提供~その現状を見てくると約束し・・こうした一期一会の出会いも楽しいものと思い出しました。

 

最終日の本日は、昨晩飲んだ地元の焼酎のせいか・・初日と同じく胃の周辺が重い感じでしたが、昨晩話に出た地を巡りつつ、医療機関の配置も意識して、比較的平地の多い福江島一周を無事終えました。最後にレンタカーを返却すると地元出身の若い職員の方から、「また五島に来てください。TV番組の撮影も行われています・・」と、五島の積極的なPRを受けました。

同じ系列のレンタカーは、あちこちで借りていますが、こうしたPRを受けたのは初めてです。きっと五島を活性化したいという想い~「地元に残った以上、地元を良くしていきたい。」という心でしょうが、昨晩の創業者に通じるものを感じます。また、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界遺産登録を目指す取組みが進められていますが、こうした取り組みも地域に住む人の心を強くするのでしょう。

 

この世界遺産登録を目指す施設は五島列島周辺には4か所~今回見たのは1か所だけですので、残りの3つの関連施設が所在する奈留島、久賀島や野崎島に、いずれ行くことになりそうです。
その時には、スマホで探した小値賀島の寿司屋の暖簾をくぐることも忘れないようにします。