旅の楽しみ38:水上からの違った視線で東京を見る(江戸散策14) 

2014年7月29日

今回は、葛西臨海公園からお台場海浜公園を水上バスで一往復です。
東京の暑い夏も本番、さすがに地上を歩くには辛い季節と、今月の家族との外出は東京都公園協会が運営する水上バスを選択しました。

 

徳川家康が駿府から江戸に移った際に、神田山を削り日比谷入江を埋立て、新たな城下町を建設して以降、現在まで、幾度となく埋め立て工事が続き、江戸・東京の沿海部の姿は変わり続けています。
今回のルート(葛西臨海公園⇔お台場海浜公園)から見える景色は、全てが埋立地・・江戸の時代は海だった所です。

 

14時過ぎ、晴天の中、葛西臨海公園発着場から水上バスは出発です。
まず、右手に荒川河口に架かる首都高速湾岸線等の橋が見えてきます。幾度も、この橋を自車で通ったことがありますが、海面からみる姿は初めてです。橋の上を走るときは、ただの舗装された広い道でしかありませんが、下から見ると、その構造、色、汚れなどがよくわかります。同じものを別の角度で見ると全く違うものに見えるのは、事業再生等の場合の着眼点に通じるものがあります。

 

続いて、左手に若州Gリンクスが見えてきます。お役所時代に、少々ガス臭い中で、某国会議員と一緒にゴルフをしたことがあるな・・と昔のことも思い出します。その後、東京ゲートブリッジ、それに繋がる東京のごみの埋立処分場を左手に見ながら、水上バスが右に舵を切ると、青海、大井のコンテナターミナルが見えてきます。こうした風景は、高速道路等から遠景で見ることはありましたが、これほど間近で見るのは初めてです。家族は、コンテナの積み下ろしの技術は難しいとNHKの番組でやっていたと話をしますが、確かに、海面から見ると凄い高さにあるクレーンでは、風のある日の積み下ろしは困難だろう・・と、実感としてわかります。

 

その頃、何人かの乗客が、カメラを海面に向け始めました。私は、元々の近眼・乱視に加え、最近進んでいる老眼のためか、よく見えませんが・・船に追われて数多くの魚が海面上に飛び出ているようです。
ここ数か月の地方周りで、船に乗る機会もありましたが、そこで見た海は青く、海中を魚が泳いでいるのがよく見えましたが、東京の海は青色と言うよりは茶色・・そこでも魚がいるのは不思議な感じです。
東京湾は綺麗になったと言われますが、やはり数千万人の営みの汚れは簡単には改善しないのでしょう。

 

こう思いながら、船の進行方向をみるとレインボーブリッジが目前に。これも何度も通ったことのある橋ですが、下からみる景色は初めてです(写真)。遠景で見ると美しさが光る橋ですが、下から見ると、頑強で丈夫な作りであることが、よくわかります。当たり前のことなのでしょうが、やはり実際に見ないとわからないものです。表面的・一般的な見方だけでなく、その本質を見る目は、数多くの事実を、いろいろな視点から実際に見ることから養われるのでしょう。
その後、お台場海浜公園に停泊してから、日本最大の歩行者用の橋 夢の大橋の下を通り、ヴィーナスフォートの観覧車、東京ビッグサイト等を見ながら、約100分で出発地点の葛西臨海公園に到着です。

 

心地よい揺れと適度な冷房のためか、最後は、少し眠りましたが、東京を違う視線で見るよい機会となりました。
1周遊1,650円也。高いと思うか安いと思うかは、人それぞれでしょうが、暑さをしのぎながら違う東京を見るには良いルートですので、ぜひ、皆様、お試しください。

私達は、9月には、朝から夕方までの「江戸東京ぶらり旅」に参加しようかと考えているところです。