旅の楽しみ34:新東京百景(多摩地区)を巡る~羽村の堰

2014年4月13日

今回の新東京百景巡りは、羽村市に所在する羽村の堰です。

 

羽村の堰は、玉川上水の取水口(水源)であり、正式名称は東京都水道局羽村取水堰。羽村草花丘陵自然公園内に位置し、堰周辺の玉川上水、多摩川沿いには約500本の桜が植えられており、春には桜の名所として知られています。

ちょうど、本日13日までは「桜まつり」との情報を得ての現地訪問です。

 

現地には11時半頃の到着予定でしたが、福井から高知・福岡を経由しての東京着~そのまま1年間続いた研究会への参加・打ち上げと、イベントが続き疲労が蓄積したせいか、まず家からの出発が約30分の出遅れで始まりました。また途中、中央高速の幡ヶ谷IC付近での1km以上続く道路工事があり、それに起因する交通渋滞で30分以上遅れ、現地には12時半過ぎに到着です。

 

この1時間の遅れを含む移動の間、10日近く東京を離れていた時に起きたことの「報告会」を受けていました。

いつもは東京に戻った夜に行われるのが恒例ですが、今回は、東京に戻った日は都内で宿泊~そのまま研究会・打ち上げ~帰宅は午前様でしたので、車中での報告会とあいなりました。報告会の途中、道路工事の現場を見ていた家族が、「なぜ、何人も交通整理の人がいるのでしょうか? 何もしていないけど・・」と素朴な疑問を言い出します。

確かに、渋滞で動かない車列からみると、交通整理の赤色灯を持った人が合計で30人以上はいます。ある場所に集中して、赤色灯を振るでもなく、ただ立っているだけですので、かえって目立ちます。こうした人件費も、公共事業という名前の予算で、税金・料金で支払われているのかと思うと複雑な気分ですが、一方では医療も介護も、ある意味では公共事業であり、私も彼らと同じ立場なのかもしれないな・・と思っているうちに、羽村の堰からお囃子が聞こえてきました。

 

駐車場に車を停めると、管理の方が、親切にも「間もなく御神輿が川を渡ります。」と教えてくれました。

何のことかな・・と思いながら「桜まつり」の会場に入ると、入口には大きな山車が置かれて、大人と子供でお囃子をしています。「桜まつり」というイベントだけではなく、神社のお祭りも同時に行われているようです。

屋台が並ぶ一角を過ぎて多摩川に近づくと、取水堰の周りや河川敷はもちろん、多摩川にかかる橋にも結構な見物の人がいます。

 

ふと気づくと、家族が、橋の上から状況を眺める半被姿の白髪の方から、「御神輿が多摩川を渡るのは近くの八雲神社の例大祭の行事である。」「いつもは11時頃始まりだが、今回は遅れて間もなく始まる。」「昨日は6つの山車が1か所に集まり競う日だった。」などの話を聞き出していました。さすが、20年以上、東京の下町で地域活動に勤しんできた経験~私にはできない技と感心です。

ほどなく、お囃子(山車のものとは別)とともに、御神輿が対岸から多摩川を渡りはじめました。水の深い所に入って御神輿を上下させたり(写真)すると観客も盛り上がり、相当長い時間、「水中渡御」が続きました。春の暖かい日差しの中で、なかなか風情のあるものです。

家族は、その間も、「警察等から多摩川に入る概ねの時間が示されているが今回は結構長い。」「八雲神社は、ここから駅の方向にしばらく行ったところにある。」「堰から上流に数百m行くと、数十万本のチューリップが見られる。」といった情報を仕入れています。

 

白髪の男性にお礼を言って、仕入れた情報に従って多摩川堤防沿いの桜並木を歩くと、鮮やかなチューリップ畑に到着です。作っているのは地元の農家ではなく、地域の小中学校が区割りを決めて育てているようです。

家族によれば、東京の自宅の周辺でも同じような方法はあるようですが、花ではなく野菜を作っているとの由。家の近くでも「花にすれば、もっと良いのに・・」と、同じものを見ても、地域活動に勤しむ立場から異なる視点で考えるところが面白いものです。

 

結局、八雲神社(稲荷神社に合祀)を参拝するなど、現地を2時間近く散策することになりました。

その後、近くの六道山公園(これも桜で有名)を周り、家族の希望で多摩湖周辺でお茶をして本日の散策終了です。

 

桜の花びらが舞う中での水中神輿との遭遇・・

神輿と私の双方が予定時間に遅れた結果ですが、良い1日となりました。