2014年1月20日
今月6日に東京に出て来て以降、乾燥もあり、1週間以上、咳が止まらない状態が続きました。
周囲からはインフルエンザか・・という疑いを得たようですが、実際には、例年、この季節には喘息の傾向が出でおり、今年は、それに別の要因が加わったようです。咳が強くなると、体も緊張するためか、腹筋周りが痛くなるなど、二次災害も生じていましたが、昨日あたりから症状も収まりはじめました。
しかし、毎月の新東京百景を巡る企画を実施するには体調不十分と判断し、今月は、家族の希望で映画を見ることになりました。
映画自体は、高校時代から、たまに見る程度で、積極的に行くほうではありません。
お役所に勤務していた時代に、今でこそ言えますが、夏の暇な時期など、昼休みを挟んで映画館で時間を潰したこともあります・・もちろん、周りには黙ってですが。
さて、今回の映画の題名は「永遠の0」。
主演はジャニーズの岡田さんということで、また、主演で勝負する映画かと、あまり期待していませんでしたが・・その印象は映画の半ばで大きく変わりました。
主人公の孫が、実祖父の経歴を調査するという基本的な流れの中で、当初数多くの戦友が「彼は卑怯者」という証言をしますが、実祖父に命を助けられた一人から「命を粗末にしたあの時代に、命を大事にするということを貫こうとした彼は、本当は強い人だった。」という話を聞きます。これが前半のテーマです。
周りの流れに迎合することなく、自分の大事にするもののため命を大事にしようとする・・今では当たり前のことのようですが、その現代でも年間3万人もの自殺者が出て、特に若世代では死亡原因のトップという現実です。当時とは異なり、周りから強いられるわけでもなく、死んでいくことを選ぶのはなぜか・・そうした想いを少しでも持つ人には、この映画の前半を見てもらいたいな・・と思います。
映画の後半のテーマは、そうした命を大事する強い人が、なぜ、特攻を自ら志願して死んだかという謎解きです。
最終的には、その謎は推理小説のように解かれることはなく、映画の中では孫をはじめとする家族、そして映画を見た者それぞれに委ねられるということになるのですが、個人の歴史と社会の動きを交錯させ、最終的に見る者に問いかける・・非常によい映画だと思いました。
今のところの私の答えは、やはり特攻を志願することなく、最後まで自分の道を貫き通すことができたはずというものですが、この映画を2度、3度と見ると、その思いは変わるかもしれません。
私自身も、いろいろと迷いましたが、結局は、お役所の仕事を最後まで貫き通さず、別の道を選んだのですが、社会の役に立つという原点だけは、今のところは維持できているように思います。これも生きているからなのでしょうが、その一方で、いつまで生き続けるのだろうか・・いつまで頑張る必要があるのだろうか・・と考えることも、年齢による衰えとともに考えることも増えています。
こうした自分の今と映画の内容が、少し重なって見えたことも事実です。
全体の流れからすると、最後のシーンは、個人的には少々疑問でしたが、全体の価値を損なうことはありません。
東京で見る今年最初の映画ですが、今年最高の映画になるような気もします。
機会があれば、また見ても良いと思います。皆さんも、時間があれば。
(配偶者は、その後、子供と2回目の鑑賞となったようです。)