2013年5月8日
最近の車やバイクは高性能になり、故障・修理をすることは稀です。しかし、それでも定期的に点検し、メンテナンスをしないと。ある日突然、言うことをきかなくなります。
人間も、これと同じようなものです。仕事と遊びなど、公私の切り替えをうまくしないと、心身に疲労が蓄積し、動きたくても動けなくなります。
私は、お役所に入って数年してゴルフを始めました。最初は、年数回程度だったのですが、30歳前に、なぜか「50歳になったらシニアゴルフで飯を食ってやろう」と思い立ち、会員権を購入しゴルフに熱を入れ出しました。在中国日本大使館勤務を終え、日本に戻って来たときには、シングルプレイヤーにはなっており、忙しい保険局医療課時代も、それを維持するため、最低でも、週1回は行っていました。もちろん、自費です。
仕事が金曜深夜から土曜明け方に及び、寝ずに朝帰りしても、そのまま会員となった栃木のゴルフ場(写真)に行くようなことも結構ありましたが、その移動時間とプレーへの集中が、仕事のチャンネルを強制的に切って自分を解放していたようで、たまにゴルフができない翌週は、体はともかく、心理的には、辛い状態だったと記憶しています。
さて、障碍保健福祉部に行った頃、腰を痛めて、ゴルフを控えていました。数か月で再開と思っていたのですが、これまで書いてきたような、厳しい状況が続き、ゴルフを再開するきっかけを失いました。
毎日、最低16時間以上はお役所に居て、自宅に帰って少し寝て、また行く。土日も、疲れて家で寝ているだけ・・寝ながらも仕事のことを考える。といった繰り返しで、徐々に心身の状態がおかしいと感じるように。ストレス耐性が強いはずなのに・・
前回のタコ部屋での「御前会議」も、徐々に、判断の切れ味がなくなり、考え込むことも増えてきました。少し、お役所での滞在時間を短くしたりしましたが、効果はありません。
明け方に帰るような時には、無理に何人かを誘って、有楽町のガード下の寿司屋に行き、気分を変えて帰るようにもしましたが、効果は長続きしませんでした。
無理に、何回かゴルフにも行きましたが、既に、移動中も、プレー中も仕事のことが気になるようになっており、当然、スコアも悪く、かえってストレスが溜まりました。
家族との会話も極端に少なくなり、いつもイライラしているので腫れ物に触るように接する姿が、またストレスを溜める。悪循環です。
ある日、未明に帰宅すると、自宅にFAXが大量に送られて来ました。翌日の国会の答弁資料です。当然、私が最終確認すべきなのですが、役所を出る前に右腕の企画官に「任せる」と言ってきたのに・・と感情が高ぶり、「送ると酷い目にあう」と思わせようと、時間もないのに、徹底的に直す指示をするという変な行動に出ました。その時点では、既に限界を超えていたのでしょう。
当時、腰を痛めず、ゴルフを続けていたら・・と思わないでもありません。
昨年後半から、ゴルフの頻度を少し上げました。スコアは80台から100前後までと極端な波動がありますが、スコアよりも、その気分を楽しめるようになりました。これで良かったのでしょう。50歳のシニアプロは夢と終わりましたが。
なお、昨年、タコ部屋のメンバーの一人から、「当時は、辛かったです。朝の寿司屋は・・」と言われました。
自分のメンテナンスに、他人を巻き込んで・・この点も、反省です。