旅の楽しみ17:東京十社めぐり1(江戸散策8)

2013年4月22日

今回の江戸散策は、東京10社の亀戸天神、根津神社に参拝です。

 

本日、家族が亀戸天神で「藤祭り」をしているとの情報を得て、急遽、行くことになりました。次女が、昨年から一人暮らしをする亀戸ですが、亀戸天神は、彼女から「神社内の池に亀が多い」と聞いていた程度が、私の知識でした。

 

昼前に、江戸時代前期(1662年)に、太宰府天満宮から勧請された神社に到着すると、社務所の前に、人だかりがありました。

なんと、猿回し(写真)を演じています。太郎次郎一門の「さくら」というメスの猿が、軽妙な演技をしています。あとで調べると、「天才志村どうぶつ園」という番組で、DAIGOさんと一緒に旅をしていた猿とのこと。TVを卒業して芸の世界に転身したということのようです。何の世界も一人前になるのは大変なようですが、師匠がしっかりていれば何とかなるのは、人も猿も変わることはないのでしょう。

途中から見たので10分ほどの演目でしたが、見ている方のほとんどは高齢者。ざっと見て、平均年齢70歳以上です。最後に、ご祝儀となるのですが、実際にご祝儀を出した人は2割程度(楽しませてもらった御礼に当方も出しましたが)、大半の方は、何もなかったように去って行かれるのをみて、少々、興ざめでした。猿よりも、人のほうが修業が必要なのかもしれません。

 

さて、神社内は、藤よりも人が多いような状態です。都心に近いこと、藤の向こうに東京スカイツリーが大きく見えることなどが理由なのでしょうが、人混みが嫌いな私は、少々、人に酔ったように感じるほどです。

しかし、神社内の表示に「東京10社」とあるのを見て興味をそそられ、社務所から東京10社のしおりを入手してもらうと、根津神社、神田神社、亀戸天神、白山神社、王子神社、芝大神宮、日枝神社、品川神社、富岡八幡宮、赤坂氷川神社が対象との由。調べてみると、明治元年、江戸から東京に名称変更した際に、京都周辺の22社が勅祭社(祭礼に際して天皇により勅使が遣わされる神社)であったことに準じて、准勅祭社として関東に12社が定められた(このうち10社が東京)とのこと。2年後には准勅祭社の制度は廃止されたようですが、変革期の混乱が伺えます。

 

社務所には、東京10社の一つの根津神社「つつじ祭り」のちらしも置かれています。昭和50年に、関係神社で「東京10社巡り」を企画したとのことですので、今でも、そうした神社間の連携が続いているのでしょう。医療も福祉も宗教も、単体では存続は厳しいのでしょう。時代は変わっても、結局は、「人を相手にしたサービスなので本質は同じか」と、一人納得していました。

 

当然、そのちらしに触発されて、東京大学農学部と東京医科大に挟まれた地域にある根津神社に廻りましたが、ここも人であふれています。

根津神社は、宝永3年(1706年)、現在の地に、徳川綱吉が社殿を奉建し遷座したとの由緒ですが、当時の本殿等が現存し、国の重要文化財に指定されています。当時から、「つつじヶ岡」と呼ばれる名勝だったようですが、その丘陵地は、残念ながら丘陵地一面の花というわけではありません。遅咲きのつつじが咲いてはいましたが、イメージとは違っていました。

しかし、ちょうど1日2回の三十六歌仙の書画を見ることができ、家族は喜んでいました。ただ、書画を見ている空間が拝殿内でしたので、数多くの参拝者が柏手を打っている姿を、拝殿内から見ることになり、「自分が拝まれているよう・・」と、少々、違和感を感じているようでしたが。

 

5時間程度の散策でしたが、私は、すっかり人に酔ったか・・帰宅後、数時間、寝ることになってしまいました。

今年中に、東京10社を廻ることになりそうですが、できれば人の少ないときに行きたいものです。