旅の楽しみ11:雪の両国で大相撲1月場所を見る(江戸散策5)

2013年1月14日

今回の江戸散策は、家族の企画に従い、両国国技館で開催されている大相撲1月場所の観戦です。

 

恒例にしたがい、前日に相撲の歴史を調べてみると、「古墳時代の埴輪・須恵器にも相撲の様子が描写されている。」「古事記、日本書紀にも、相撲の様子が記載されている。」「鎌倉時代以降、将軍は上覧相撲をよく行っている。」などは、私もなんとか知っていましたが、次のような記載を見ると、神社巡りが好きだった私は、相撲の歴史・背景に、改めて関心を持ちました。

国技と言われるのは、その武道としての伝統だけではなく、神道との関わりの歴史も反映しているのかとも思い当りました。

 

1 今から1,300年前に、「突く・殴る・蹴る」の三手の禁じ手・四十八手・作法礼法等が制定される。

2 現在の土俵の原型を、織田信長が考案したとされる。

3 本場所前に、墨田区の野見宿禰神社において神事が行われる。

4 力士が土俵入りの際に拍手をうち、また、横綱が注連縄を巻くのは、神道の影響を受けたものである。

5 土俵入りの際、両手を広げて手の平を下に向けるのは、「武器を持たず素手で正々堂々と勝負」の意味である。

 

さて、家族が予約したのは、正面の安めの「マス席」。ちょうど、正面側に置かれているTVカメラの間です。

昔は、相撲茶屋さんが仕切っていたと思いますが、今やネットで予約できる時代。3連休中にもかかわらず、前々日の予約で席がとれるのも、相撲の人気が落ちている一方で、それを支える「タニマチ」の皆さんの経済力が落ちている・・そういった背景なのでしょうか。

興業の料金としては、都内のコンサート等に比べれば高い水準というのも問題なのでしょう。私たちの後ろの列は、最後まで観客が来ることもなく、向こう正面も後ろ2列は、ほとんど人はいませんでした。

 

マス席は4人席なので、既に一人暮らしを始めている次女を呼んで、昼過ぎからの観覧開始の予定でしたが・・

国技館に着くと、大相撲の興業らしく関取の名前を書いた幟が立ち並んでいますが、当初の予報に反する大雪の中で大きく揺れています(写真)。次女に連絡したところ、まずはバイト疲れで寝坊して「今起きた」。その後、「総武線は停止なので行けない」「バイト先も人が集まらず危機的な状況」と、順次、連絡があり、最終的に、次女は国技館ではなく、バイト先に向かうことに。彼女の今の関心事項は、バイト先の経営状況のようです。

 

1人が欠け、3人組となった一行は、まずは、1Fにある相撲博物館を見て、その後、弁当などを調達。

席につくと、小6の息子は、早速に、焼き鳥に手を伸ばしました。試しに、「鳥は手をつかないことから、相撲では縁起物と言われている。焼き鳥はどこで作って焼いていると思う。」と聞くと・・「?」。やむを得ず、「この建物の地下で焼いているらしい。」というと、「へぇ~」と、本日、初めての関心を示しました。

ちょっと太めで体が柔らかいことから、その昔、「関取になったら」と勧めていましたが、全く関心を示さず今に至っています。彼は、現在のところは、勇気より食気のようです。今年、中学生ですが、まだ好きな彼女もいないとの由。色気もこれからです。

さて、どう成長して、どのような恋愛をして、男になっていくのでしょうか。医療の進歩で、男が大幅に余る時代・・楽しみでもあり、また、心配でもあります。長女、次女に言ってきたように、「25歳を過ぎるまでは、男は人間ではない。」を実践できるかどうか・・親が教えるわけにも行きませんが。

 

それから3時間。中入り後には、観客も8割程度は入り(外国人、若い女性の観客が多いのには驚きました)、賑やかな感じに。家族は、オペラグラスで取り組みを見たり、写真をとったり、それぞれのスタイルで楽しむ様子。配偶者は、昔、初代貴乃花関が好きだったこともあり、小兵の力士の応援に熱が入ってました。

息子とは、到着後、計69番の取り組みについて、どちらが勝つかを当てるゲームをしていましたが、彼に全部選ばせたところ、30勝39敗と負けてしまいました。勝負がかかったせいか、あまり相撲に関心を持たなかった彼も、自分の選んだ力士は、応援をしていました。ゲームが関心を高めたようです。

当方の作戦勝ちです。ただし、ゲームに負けた分は、きっちりと支払いました。

 

しかし、私は、運動不足のためか、今回の5時間を超える観戦で、すっかり足も痺れ、腰が痛くなる始末。知人とのメールのやりとりも、結構、つらい感じでした。もし、次の機会があれば、イス席をお願いしたいものです。

雪は観戦終了後も降り続き、Face Bookに掲載した動画に対して、福井の知人から「帰宅が大丈夫か」とのコメントもいただきましたが、何とか、タクシーを拾って裏道を走り(幹線は大渋滞、1km2時間のところもあった由)、自宅に戻ることに成功。

ただし、人の多いところが苦手の私は、帰宅後、額に冷えピタを張って一息といった状態です。

 

年末年始と雪の多かった福井ですが、20日ぶりに上京した私に、雪がついてきたのでしょうか。

今年、東京での最初の外出。記憶に残る1日となりました。