旅の楽しみ9:「淡海国」で変わるものと変わらぬものを感じる

2012年11月9日

11月8日、9日と滋賀県を訪問しました。

大津市で国家公務員共済組合連合会の病院長研修会で講演するのが目的の一つ、もう一つは、草津市で幹部として働く昔馴染みの人に会うためです。

 

大津市は、1999年から2年間、市役所職員として出向した地です。

早朝に東京を自車で出発し、20歳代半ばの未だ人格形成途中の時代、山田豊三郎市長(当時)の下で、いわゆる「ドブ板行政」を体験し、大きく意識変化をした頃を思い出しながら、10時過ぎには滋賀県に到着。

講演まで時間もあるので、趣味の神社めぐりと多賀大社と日吉大社(写真)に参拝することに。いずれも20年ぶり、15年ぶりの参拝です。

 

日吉大社(写真)に参拝すると、何と東本宮が改修中と、伊勢、出雲に続いて3回目の工事現場に遭遇。これだけ続くと、不思議に思われます。東本宮、西本宮と参拝し、日吉大社の敷地内にある日吉山荘(これも20年ぶり)で、飛龍の瀧を背に蕎麦を食し、講演会場に向かうことに。

講演場所は、KKRホテル琵琶湖。大津市に所在することから、普段の講演とは違って、市職員当時の気分で、まずは大津市の紹介から講演開始です。そのまま、大津の紹介で1時間も可能でしたが、本線に戻り、時間は超過したものの、両大社への参拝の効果もあってか、無事、講演を終え)て、一路草津市へ。

 

最初は、大津市の昔の同僚と意見交換でもと考えたのですが、当時、大津市の総合計画を一緒に作った同僚のほとんどは、先の市長交代もあって退職しており、また、いじめ問題対応で、市行政全体が落ち着きがないだろうとも考え、十数年ぶりに草津市の幹部の方と会うことに。

 

滋賀県政の話から子供の話までと話題は尽きませんでしたが、彼らと知り合ったのは、今や22歳となった長女が生まれる前。時間が経つのは早いものです。

大津市内では、20年前に作った総合計画に従いラダー構造の道路整備が進み、真野地区や坂本地区周辺では昔の風景とは全く違っていたり、草津市内では、以前は何もなかった湖岸道路沿いに、店・住宅が林立していたりと、都市の構造自体も変わっています。

また、昔は50もあった市町村が、平成の大合併で19に減り、一方では、その昔、最も財政状況の良かった地域が、長年の市政停滞で、今では最も財政が悪い市になっているとも聞きました。

市役所職員も、交通の便が良くなった結果、大阪からの通勤者も増え、地元を良くしていこうとの熱意が、どうしても薄れているとの悩みもあるようです。大都市圏ならではの悩みでしょうか。

 

ただ、医療面では、未だに1市に一つは急性期病院を持ちたいという意識が強い点は、変わっていないようです。

これから進むであろう機能の重点化に伴い広域化していくはずので医療政策の中で、この意識が、どのようになっていくのか注目されるところです。

 

都市の構造、組織の雰囲気、政治の流行は、時代とともに変わっていきますが、個人の意識は、なかなか変わらないものと感じた訪問でした。しかし、十数年ぶりにあっても、楽しく話ができる人がいることは、やはり、良いものです。これからも、こうした関係は大事にしたいと改めて感じた時間でした。

 

本日は、これから福井に戻り、午後・夜と二つの会議です。少々、体力面が心配な1日となりそうです。