Episode28 「尊敬する上司もいれば いないほうが良い上司もいる」

2012年10月8日

国の組織は、係長、課長補佐、課長、局長と階層制になっています。
局で言えば、1人の局長をトップに、何人かの課長、その課長に何人かの課長補佐が、さらに数名の係長と、ピラミッド式に組織が作られます。この原則は、40歳代で局長・事務次官になり退職していたような昔は問題なかったのですが・・・

皆が、相当の年齢まで勤務を続けることが普通(今回、厚生労働省で局長に就任された人は50歳台半ば)になり、徐々に人事が渋滞してくるようになりました。例えば、課長になるような人なのに年齢の上の人がポストを占めていて昇格できない。しかし、いつまでも課長補佐にいると、その部下の係長が昇格できない となるということです。

 

そのため、課長級のスタッフ職の企画官をはじめ、局長級の審議官など ○○官という名のつくスタッフ職が、私がお役所にいた20年間で、すごく増えました。各省庁の幹部名簿を見ても、「○○官」職のオンパレードです。人事渋滞の反映です。

今後も公務員の天下り禁止などを名目とした「定年まで雇用」という方針が維持されるようであれば、決して望ましことではありませんが、こうした○○官というポジションが、より一層増えていくでしょう。

 

さて、私が最後に厚生労働省で働いていたときは、40歳を過ぎた頃ですが、この企画官という肩書でした。

この年齢であれば、特段、普通のことですが、しかし、私が旧厚生省に入省して最初に、「この人は立派な人だな」と思った2人の課長の当時の年齢が、企画官の私と同じか、若かったと気づいたときは愕然としたものです(2人の課長は、その後、1人は課長現職のまま鬼籍に入られ、もう1人は課長から知事になられました)。

この企画官の肩書で働いていたときは、局(部)のスタッフとの意味合いが強く、新法を国会に提出するための課を超えた作業部隊の責任者であり、かつ、課長以上で意思決定をする場の進行役的な立場でもありました。

簡単に言えば、作業現場とトップをつなぐ役割です。

この立場は、課長補佐になったばかりの頃から担ってきましたし、自分の考えを実現しやすい立場でもあるので、ある意味では、望ましい立場だったのですが・・・それも上司次第なのだなと実感するときがきました。

 

「自意識が強い割には、指示もあいまいで、情報管理も不十分。意思決定も進まず、仕事の進行の障害」になっているという稀なトップの下で、時間のあるときなら、やりようもあるのですが、

時間もなく、ほぼ即断即決をしないと間に合わないという状況で、丁寧に相手にする余裕が自分にない・・・
敬意を表して、方針案の説明をすると、本質から離れた作業指示が出て、現場のスタッフが疲弊するばかり・・・
やむを得ず、直接、財政当局や関係団体と話をして決まったことだけを、トップに結果報告することに.・・・

 

ある時、「なぜ、事前に話をしないのか」と言われ・・・トップの言っていることは役所では当たり前のことですが、その状況から、さすがにムッとして、適当にその場の応対をして作業部屋に戻った後、現場のスタッフに、「立派な上司を欲しいとは言わない。あの席を空席にしてくれ!」と叫んでしまいました。そう言われた作業部隊の皆さんは、さぞかし応対には困ったことでしょう。

皆さんに、この場を借りてお詫び申し上げます。

 

しかし、この時のトップが別の人であれば、私のその後は違っていて、今の私はなかったかもしれません。

その意味では、良い人をトップに得たのかも知れません。何が自分の変化をもたらすかは、わからないものです。