2012年4月12日
福井から東京の移動の際、足をのばして一泊二日で姫路に行きました。目的は医療法人恵風会が実施するサービス展開についての勉強です。
この法人の長尾理事長とは、役所時代に、種々、厳しい議論をして、お世話になり、また、ご迷惑をかけた(理事長は、騙されたことが多いと言われていましたが・・・)ことがあります。昔から、「現場を見に来い」との話がありましたが、先月、久しぶりに東京でお会いする機会があり、今回、長年の懸案を実現することができました。
最近、病院・施設を見るときには、病院等だけをみるのではなく、都市・街の状況を見て、文化・人に触れてと、病院等の外部環境を自分なりに確認するようにしています。
役所時代には、忙しすぎて現場を見る時間も少なく、見ても病院・施設だけということが大半でしたが、事業という視点から病院等を見る今は、地域の状況に応じて病院等の役割も変わるし、内部環境と外部環境の組み合わせで、また、将来の都市の変化で、病院等に問題があっても、その解決方法が変わると考えるからです。
これは昔、中国勤務の際に、地方に出張等で行くと、目的の病院等はもとより、都市の状況、歴史や食文化などを中国側の人が積極的に見せようとしていたことを、自分なりに真似しているものです。特に、東京と福井の基礎的条件の違いを肌で感じる今は、当時の中国側の意識がよくわかります。
今回は、前日、昼過ぎに姫路に入り、まずはランドマークである姫路城に。
タクシーの中で、姫路城の工事で観光客が減っていること、中国人客が4月に入ってから戻ってきていること、観光用のホテルは少ないがビジネスホテルは多い(ビジネスの街である)ことなどを聞きつつ現地に向かい、下車してからは、あいにくの雨の中、地元調達の傘をさして、ブラブラと城内に入りました。
さすがに、桜が咲き誇る姿は美しく、本来あるべき天守閣が見えれば最高だったのでしょうが、桜の向こうに見えたのは工事用に囲まれ、ビルのようにも見える箱(写真)。しかし、中に入ると、天守閣の瓦の葺き替えをしている現場を、間近で見ることができ、神社仏閣や城郭建築に興味のある私としては、非常に楽しい時間でした。
城を出た後、雨も小ぶりになったので、ホテルまで街の状況をみながら散策し、計2時間程度の観察の時間を終えました。
本日は、病院の見学から始まり、クリニック、老人保健施設、グループホームなどを見せていただき、昨日の街の感想なども自分なりに咀嚼して、少し意見交換めいたこともしました。
臨床を重んじる医師としての立場、これまで患者・地域のために難しいこともやって来ざるを得なかった経緯も伺いつつ、自ら事業を実施するだけでなく、医療や介護分野以外の事業者等と連携することで、社会コストや経営リスクを下げつつ目標達成する途があること、また、この方法は地域の活性化にもつながるといった 私なりの地域経営の視点もお話しでき、刺激のある姫路訪問となりました。
なお、こうした話が、もっと役所時代にできたら良かったなと、今更ながら、少々、反省したのも事実です(昔は視野・発想が狭かったということでしょう)。