旅の楽しみ2:屋久島の「白谷雲水峡」を歩きました

2012年3月29日

3月26日から28日の3日間、屋久島に行きました。

留学前の長女や、専門学校進学で独り立ちをする次女も含め、1年ぶりの家族全員での旅です。

国家公務員現職時代であれば、今ごろは、通常国会開会中、予算関連法案の審議開始の時期であり、到底、平日の旅行などは実現できるものではありませんでしたが、福井と東京を行ったり来たりのはざまで、メンバー各自が時間調整を行い、短いながらも落ち着いた時間を送ることができました。

初日は、子供3人が、初めての体験ダイビングを行いました。風が強い中でしたが、風の直接当たらない一湊の湾内での体験です。たぶん恐ろしがるだろうと思った小学校6年生になる長男が、一番、はしゃいでいたのが印象的でした。

2日目は、映画「もののけ姫」のモデルとされた「白谷雲水峡(写真)」への散策(登山)です。

家族は、当初、縄文杉まで往復11~12時間かけて行くとの意向でしたが、私が、「宿で、皆さんが帰ってくるのを待っている」と言ったところ、調整の結果、4時間程度の旅程である白谷雲水峡に行くことになったものです。

雲もほとんどない快晴の中、散策は始まりましたが、予想通り、老いの進む(単なる運動不足との意見もありましたが)私の足腰は悲鳴をあげました。

ガイドの方にも気を使っていただき、ゆっくりとした歩みとなり、結局、6時間の往復となりましたが、それでも、文字通り「深山幽谷」の世界を見て、こうした場所で、世俗のわずらわしさから離れ「仙人」になるのも悪くないかと思うほどの良い環境でした。

また、下山後、車で島を一周しましたが、島の西側の林道に入ると道幅も車1台ほどの幅となり、30分ほど「自然遺産」の中を回遊できました。右手に東シナ海に沈みかける夕日を見ながら、左手に屋久島の森林地帯を見るドライブは、なかなかのものです。

 

ドライブは、仕事柄、医療機関の状況も横目で見ながらの移動でしたが、病院が一か所、徳洲会グループの病院が目立っていました。地元の人に聞くと、年会費1千円で無料で病院の出す巡回バスに乗れる(公共バスは1時間に1本程度との由)とのことで、島のお年寄りは助かっているとのことです。医療へのアクセス問題を、移動の確保という形で病院自ら解決しているもので、他の地方でも同じようなことが増えるものと思いました。

一方、子供も減り、さらに島で一つの高校を出ると就職のため、ほとんどが島を出るとのことですので、将来の屋久島を誰が支えていくのか、きっと島の中では大きな課題になっているのでしょう。しかし、1千年を超えて、やっと屋久杉と言われる長い時間軸を持つ島では、こうした短期間の変動は、大したことではないのかもしれません。

九州で最も高い宮之浦岳の近くにある縄文杉は、こうした人の営みを、その高みから、どう見ているのでしょうか?

将来、その根元に行くことができれば、聞いてみたいと思うところです。