2019年4月22日
今春、長男が高校を卒業しました。
3年前、当該高校を志望した理由は、バスケットボールと学業の両立。将来はスポーツビジネスで働くことを念頭に、大学の経済学部へ進学と言っていました。しかし、高校1年の最後に、悩んだ末にバスケットボール部を退部。その後1年くらいは、右往左往の学生生活でしたが、3年になると突然「○○大学に行きたいので予備校に行く」と言い出しました。
我が家は、子供がやりたいと自分で言い出したことは、原則、経済的な理由でNoと言わないのがルールです。姉と私の大学期間中、共働きの両親が毎月の給与のほとんどを2人の学費と仕送りに充てていた・・との事実を受けての次世代へ引き継ぐルールです。
もちろん、子供の自主的な判断が大事~英国の諺の「You can take a horse to the water, but you can’t make him drink.」の通りです。長女・次女は、その気になれば、いわゆる有名大学に行けたとは思いますが、「大学に行く理由がない」という決断で、自分の行きたい道を選び、現にその世界で働いています。
長男もそれと同じく進みたい方向を見つけたか・・いや女と違って男は覚悟が今一つ。予備校に行ってもそのうち音を上げるかと疑ってましたが、夕刻から夜9時過ぎまで続く予備校の授業に、ほぼ皆勤~毎日10時過ぎに帰宅する姿を見て、実力はともかく本気であることは理解できました。
志望の大学は、合格者のうち現役は3割、浪人7割~2浪以上も4割とのこと。予備校からは、「浪人大丈夫ですか・・もし難しいようなら受験用のテクニックを伝えますが、それだと入学後に苦しむことになる。」と言われ、この段階で浪人は事実上の確定です。
3月に予定通りに不合格。その後の彼を見ていると、不合格をバネに一層奮起するわけでもなくダラダラと時間を浪費する様子・・自分から4月以降のことを私に話しに来る様子もないので、「4月からどうするのか。費用はいくらか。」と水を向けると、TVを見たまま「○○万円くらいだろう・・」と気のない返事。
私の雷が久しぶりに落ちました。「何だ、その態度は。それが人にものを頼む態度か。親の支援なく自分でやっていける自信があるなら出ていけ。」
それから1週間、長男は自分の部屋に引きこもり、私を避ける日々が続きました。奥方は、長女、次女に助けを求めたようですが、「それは長男が全面的に悪い」と膠も無い返事に、奥方も困ったようです。
最後は、奥方と長女に背中を押されて、恐る恐る今後の希望を説明に来ましたが、不合格を目の当たりにして、自分の実力不足に自信がなくなっていたとのこと。この話の前に長女から私に「余計なことは言うな」とのメッセージが届けられており、その指示に従って本来のルールに無事戻ることに。7月からは、もう1つのルール~高校を卒業したら家を出ての一人暮らしも始まります。
ただ、浪人で失敗する人の特徴として、①楽観的な人、②現実逃避しがちな人、③誘惑を断ち切ることが苦手な人というのがあるそうですが、少なくとも一つは長男に当てはまるのが不安です・・しかし、そうしたリスクを自分の覚悟で乗り越えていくことで、子供は大人に、少年は男になっていくのでしょう。
これから始まる浪人生活。合格するまで努力するという本人の覚悟が第一なのはもちろんですが、紆余曲折を経るに違いない長男を最後まで見守る親の覚悟も大事なのでしょう。
できれば1年で合格を・・と思うのは、親の覚悟が足りないからに違いありません。
合否はともかく、これからの浪人時代が長男の成長にとって意味のある時間になりますように。