子供の成長13 立春 長男 本日から本当の社会人スタート 

2025年2月3日

本日は立春 二十四節気に基づいて1年を考えると、立春は今でいう元日。新しいことを始める日です。禅寺では、立春の朝に「立春大吉」と書いたお札を門に貼る~春には蕾が自然と花開くように、天地自然の正しい神気が万民に福をもたらすとの縁起を担ぐ風習があると聞きます。

 

さて、前回のコラムの通り、相手を見限り、次のフィールドで頑張ると前向きに決めた長男が、神社参拝などの縁起を担ぐ前に、早々と働く場を決めてきたのには驚きました。
ハローワークに出ている募集を私が眺めて、試しにいくつかを本人に情報提供したところ、その中から自分で選び、ハローワークでの所定の手続を経て、当該会社で面接を受けて、入社決定という報告が奥方からあったのは、前回の社長の「お礼とお詫び」のメールの頃です。
今回のような労働事件があると、多くは相手を非難したり、自分のどこが悪いのかと落ち込んだりして、次の行動に移るのに時間を要するのが通常ですので、その目先をそらす意味で、いくつかの募集を渡したのですが・・そもそも不要だったのかもしれません。既に、私が本人から事情を聞きながら、論点について、一つひとつ整理していく作業の中で、嫌な気分が浄化され、「これは終わり」「はい、次のこと」と頭が切り替わったのでしょう。
ここでも「人を見る目が無い」を実証しましたが、これは良いことと喜んでいます(笑)

 

ちなみに、当方が示したものの共通性は、顧客の顔が見える仕事という本人のモチベーション、及び今回の件の振り返りを踏まえて、次のようなものでした。他にもきっとあるでしょう。
「習得すべき技能・技術が明確で、安全確保等の面から成長支援が必須の業種(職員を放置すると重大事故に)」
「会社の社員数が多すぎず、少なすぎず(ある程度の人数以上は、通常の人事労務環境にあるとの指標)」
「本人が専門学校では造形が得意だと言っていたこと(今回は製造業・建築業)」

 

面接が決まった段階で、人を見る目がなく変な会社を紹介したという反省とともに、「新人採用担当3回」「部下の育成回数多数」「最後は再生工場と言われるまでになった」とのお役所での過去の経歴を本人に示して、人事労務コンサルとしてサポートすることを宣言。今回の私の失敗のお詫びに、費用は当面無償です(笑)
彼が就職面接連敗の頃に、奥方から聞いていた「面接の感じはよい。盛り上がるのだが・・」という言葉を思い出し、自分が面接担当の頃はどう考えていたかと記憶を遡って、下記を本人に提示。自分の考える面接の感じの良さと、面接官の感じる良さを頭の中で一致させる作業~目標の明確化です。
〇聞かれた質問の意図を理解し、的確に回答する人(理解力がある人)
×聞かれた質問の意図とは違うことを延々と話す人(理解力に乏しい・整理が苦手な人)
次に、面接官が履歴書等からネガティブチェックするポイント(高校・大学・就業が繋がっていない点=浪人・一回休み・今回の短期離職など)の切り返し方、面接官が好印象を持つポイント(質問する着眼点の水準の高低など)の理解などについて助言しましたが・・その時に思っていたのは、「何回か面接すればよくなるだろう」が正直なところでした。それで一発採用。驚くのは当然です。

 

決まった先は、下請け構造の中で、下のほうにある従業員20~30人程度の製造業ですが、建物の外観は古いものの、中は整理整頓された製造業の良さが感じられ、社長からは、「この会社には設計部門はないが、この会社で製造技術を磨いて、それを生かして設計できる会社への転職を目指すとよい」と、将来の到達目標も与えられた由。

本人の意欲を高める社長の助言~きっと本人も喜んだことでしょう。

 

現時点では、職場への定着がポイントです。前回の「労働事件」は、定着時における会社側の大失敗とは思いますが、本人に問題がないわけではありません。会社側には「人事労務という最も作法が厳しい場」であることについて錯誤が、本人には「働き始めるという場」であることの錯誤があり、それが側面衝突したと見えます。ルール無用の暴走車に、運転初心者が、側面衝突との感じでしょうか。
この働き始める場における本人の姿勢・振る舞いは弱みだと判断したので、次は、この点のコンサルです。原則を頭で理解して行動する~意図的に振舞うことを続ければ、自然と体に染みつくという理屈でのトライアル。

 

まず、本人に伝えたのは、「技術習得では、君は運動部の1年生=場面」「会話その他の一般活動より、技術習得のために時間を使う=行動原則」を大本とし、成長過程に応じ、場面は2年生などと変化させて、そこでの行動原則を変えていくという基本設計。「頭=考え方」のコンサルティングです。
技術面は将来をイメージさせてくれた社長が支えてくれるでしょうから、こちらは定着が円滑に進むように裏方で社長を応援・・本当は不要なのかもしれません。社長から本人に注意があれば、それをサインと捉えて、本人が振る舞いを調整。情報⇔行動変容の繰り返しがあれば、きっと職場に定着するでしょう。それが普通なのですから。

 

この定着支援のトライアルと並行して、前回書いた最後の「お礼とお詫び」のメールを演習材料にした失敗対応の教材、人事評価の理解の教材などを作成中~奥方や長女も見る共有フォルダに一連情報を整理して、本人に対して1対3のチーム対応。私の判断が偏ってないかを検証しつつ、本人が相談相手を3人から選択できる環境も整えました。第3者の意見も聞くことにしています。

 

それらの結果は、「神のみぞ知る」ですが、大失敗に終われば、皆さんに報告させていただきます。
本人の失敗ではなく、人事労務コンサルの私の失敗事例として(笑)
本人には、一連を冷静に見つめて「同じ失敗を繰り返さないために、何をするべきか」との大人の振り返りと判断=行動選択の技術向上を期待しています。