親と歩く75 父親 緩和ケア病棟を退院 近隣の老健ショートステイを利用

2019年12月4日

10月4日に緩和ケア病棟に入院した父親~入院1か月ほど過ぎた11月前半に、急遽、緩和ケア担当医から話があるとのことで、病院に向かいました。9月末に、「特に治療もないので、1か月くらいで安らかに亡くなる」と、癌の担当医から言われていたので、病状悪化かと思いましたが・・

 

言われたのは、「病状も安定しているので、12月初には退院を」という内容でした。

さすがに、「どういうことなのか?」と聞き返しましたが、「国の方針で、2か月以上は緩和ケア病棟に置けない」との回答に、少々、唖然としました。

私が診療報酬改定をした2000年頃には、看護料の平均在院日数要件から、「1か月以上、病院に置けない。国の方針だから。」と患者に伝える病院が多く、苦情が国に数多く寄せられていことを思い出しました。
当時は、「あくまで平均の話で、個々の患者の退院時期を決めるものではない。」と、繰り返し回答していたのですが、緩和ケア病棟には平均在院日数要件はなく・・どうも報酬の逓減制(61日目で3段階目の低い水準になる)のことを「国の方針で退院」と言っているようでした。

 

60日超になる患者ばかりになると、院内から「経営的に厳しいので退院促進を」と言われていることが透けて見えましたが、さすがに患者家族に、その旨を直接話すのは憚られて、「国の方針」と言っているようでした。

個人的には、父親が緩和ケア病棟に入院する際の経過から、「緩和ケアしかないと勧めるのが早すぎる。」と思いましたが・・その後、担当医から「便法ですが・・一定期間、施設のショートステイを利用後、再入院という選択肢がある(診療報酬が高い額から算定できる)」と言われ、さらにガックリ。

 

母親たちは、「それなら安心」と、それに飛びつきましたが・・

私は、あまり好ましくない方法と思う一方で、「緩和ケア入院の判断を母親に委ねた以上、やむを得ないか」と複雑な思いで了承しました。
ただ、了承した以上は早いほうがよいと、病院の医療連携室に当日の施設見学を希望したところ、12月4日からショートステイが利用可能との情報があり、会議後、即見学~申込を終えることができました。
10月4日の緩和ケア入院から2か月で退院という出来すぎた話に、「用意していたのですか?」と連携室の担当者に聞きましたが、「偶然です・・」とのこと。まあ、こうなる運命だったのでしょう。

 

その後、東京から来た、私の長女夫婦、次女・長男のお見舞いを楽しそうに受けた父親は、本日、車椅子に座り、近隣の施設に車で移動。無事に退院~しばらくのショートステイ生活(写真)の始まりです。
この車椅子は、緩和ケアの担当医に、「毎年年末は、親族で温泉一泊旅行に行っているが、本人の状態で行けそうか」の旨を聞いたところ、「リスクはあるが本人家族の希望なら」「直前でのストップもあり得ることを前提に」との回答があったのを受けて、一時退院が決まった後に、私が用意したものです。
完全に平らになり、ベッドからボードで横移動、それから背中を起こして車椅子になるという優れもの・・この車椅子への移乗、座った状態での一定の生活時間の確保を依頼していましたが、病院では、あまり行われなかった様子でしたので、ショートステイ中の活躍を期待しています。

 

初日は、車椅子で食堂に行き、周囲に触発されてか、いつもより多めに経口で食事をしたとのこと。
環境変化で、父親も、少しはやる気も出たのかもしれません。
こちらは、大晦日の宿泊に向けて、バリアフリー宿泊先の手配、大型の移動車両(横になっても大丈夫な大きさ)の確保、ポータブルの吸引器(痰・誤嚥対策)のレンタル、当日同行する看護・介護職の依頼(関東の知人を蟹で釣る)、今年受験の親戚の学生参加も確認と、できることは着手済み。

 

8:2で実現は難しいと考えていますが、どうなるかは、本人の当日の意欲と状態次第。
最後に親戚と宴席・・実現すれば、よい時間になるでしょう。