親と歩く69 父親が無事退院 今回は病院から「脱走」することなく

2018年3月24日

2月の大雪の雪かきで手が動かなくなった父親・・前回のコラム後、通院していた整形外科で尺骨神経麻痺という診断を受け、入院して手術を受けることになりました。
父親の入院で思い出すのは、4年前、抗がん剤治療中に一方的に入院先の病院を退去したことです。その時の様子は、「Vol.78 病気を見る医師 人を診る医師」に記載していますが・・今回の入院手術も同じことが起きないか・・入院日も手術日も私が福井にいない時期でしたので、一抹の不安を覚えました。

 

入院前の最後の外来に同行し、入院日は3月6日と告げられました。
帰宅後、入院のための書類一式を代筆したり、入院時に持っていく身の回りの物の準備などを始めましたが、手が不自由なため、いくつか購入しなければならないことがわかりました。入院までに自分たちで何とかすると言っている両親でしたが、握力のない手では車で出かけることもできません。福井を離れる前日に、2人を連れて介護用品販売店に行き、マジックテープ式の下着や持手の太いフォークなどを購入・・珍しく、両親から感謝されることに。最後に、近所に住む叔母に、入院当日の同行を依頼して、入院準備は整いました。

 

東京に着くと、無事入院した、手術が終わった、リハビリを始めたなどの連絡が届けられました。
入院期間は2週間ほどの見込みとのことで、ちょうど福井に戻る頃でしたので、京都に泊まる予定を止めて、京都の用事を早く終えて福井に戻ることにして、父親の退院に備えることに・・あとは、4年前のようなことが起きないことを祈るだけです。

 

京都経由で福井に戻りましたが、まだ退院日は決まっていないとのこと。
早速、入院中の父親の顔を見に、母親と一緒に入院先に訪問・・父親は入院生活に退屈しているようでしたが、医師や看護師には信頼を置いているようで一安心です。利き手の右手が、かなり動くようになったのも気分を明るくしているのでしょう。母親との雑談も笑顔が出ています(写真)。
ただ、「体を起こすときに太ももに電気が走るような痛みを覚えて・・起きられない。」「飲んでいる薬の副作用かもしれないので、医師に聞いてみる。」とのこと。回診に来た医師に、早速、話しかけていましたが・・耳が聞こえなくなっているせいか、医師の言うことに気づいていません。
後ろで見ていて面白い光景でしたが、ほっておくわけにもいかず、2人の会話が成立するように通訳役を買って出ることに・・医師の診立ては、薬の問題ではなく、腰痛ではないかというものでした。

その後、スタッフステーションで看護師長と思われる人と、退院見込みの話となりましたが、父親の希望もあってMRIで頭部の撮影をするとのことで、退院は、読影の医師が来る24日以降になるとのこと。読影結果に問題なければ、退院は26日の月曜かと判断して、能登への一泊の仕事も大丈夫と考えましたが・・

 

本日、能登での一泊の仕事を終えて家に戻ると、父親が家に居るのに吃驚。
しかし、表情は落ち着いているので、前回のように「脱走」したわけではなさそうです。一応、「退院したのか・・」と確認すると、「診断結果に問題ないので退院した。」「月曜からリハビリに通う。」とのこと。退院に付き添えなかった代わりに、月曜からのリハビリの送迎を数日することにしました。

 

最初のリハビリが無事終わったら、日帰り温泉+夕食で ささやかな退院祝いをすることにします。
前回入院では、抗がん剤治療を受けないと余命3年と言われましたが・・既に4年。これも祝うべきことなのでしょうか。