親と歩く65 動物好きの両親 猫寺で和やかな時間を過ごす

2017年9月26日

先週の沼島行の際にWEBニュースを見ていると、珍しく福井関連の記事に目が行きました。数十匹の猫が暮らす「猫寺」で、健康福祉センターで保護いている猫の譲渡会が開催されるという記事です。
越前市に「猫寺」と呼ばれる寺があり、県内外から数多くの人が参拝に来ているとは聞いていましたが、それが曹洞宗の寺で、本堂ができてから10年も経っていない新しい所とは、初めて知りました。
今回は、この猫寺~御誕生寺が目的地です。

 

御誕生寺に向かう途中、後ろに座る両親の話を聞いていると、父親は姉の月1度の外出に同行して行ったことがあるようでしたが、母親は初めてとのこと。動物好きの両親は、猫に会うのを楽しみにしているようでした。
両親は長らく猫を飼っています。私が幼い頃、猫の尻尾を強く引っ張ったため、振り向きざまに引っかかれ、その部分が化膿し頬に跡が残るという事件がありましたが、それでも猫を飼うのは止めませんでした。その頃には、猫は家族の一員という両親の意識が、既にできあがっていたのでしょう。
一時、猫とともに犬を飼いましたが、散歩が辛くなったと、2頭目の死亡にあわせて猫だけとなり・・今でも自宅には、通称「あっちゃん」~正式名 アレキサンダーⅡ世という猫がいます。私が福井にいても、私と話すより、猫と話す時間のほうが長いようですし、姿が見えないと2人で探し始める始末。きっと、両親の意識では、猫=子供なのでしょう。

 

さて、寺に着くと、猫より多くの人がいるのには驚きました。それも若いひとばかり・・
これまで数多くの県内の神社仏閣に行きましたが、平日に、これほど人がいたのは初めてです。駐車場に並ぶ車のナンバーは、名古屋、岐阜、飛騨、浜松などと東海地区のものも含まれており、年間数万人の参拝客という数字も現実味をおびます。
気温30度、湿度80%の夏のような暑さを避けて、日蔭でしばらく座っていると、奥に隠れていたらしい猫が次々と出てきました。一時より数は減ったらしいですが、それでも20匹以上はいたでしょうか・・両親は、それぞれ気に入った猫に近づいていき(写真)、まさしく「猫なで声」で話しかけます。自宅の「あっちゃん」に話しかけるより、優しいのが面白く思えます。

 

他の参拝者と猫談義をしたりしていましたが、そのうち私に向かって「結構、高価で立派な猫が多い。」「あの猫は、○○○で珍しい。」などと、私の知らない知識を披露します。最近、姉の飼っていた猫が死んで、新しい猫を買ったらしいのですが、「買った猫と同じ種類だ。買わずにもらえば良かったのに。」と言い出したところで、猫寺の時間は終了です。

他の参拝者も猫を眺めて長時間座っていましたが、いわゆる「癒しの時」を過ごす場なのかもしれません。両親は、近くの日帰り温泉に行く途中、いつもより和やかな感じがしたのも猫のお陰でしょう。両親が喧嘩したら、また、ここに連れてくることにします。

 

ただ、「檀家が減り人を集めるのに苦労する寺で、新たな人集めの手法か・・花の名所にするより年間通じで効果的だな・・」と考えた私だけは、この寺に不似合いな存在に違いありません。