親と歩く59 国宝彦根城に向かうも・・またも杖を忘れた母親

2016年11月29日

5月に行った岐阜城で、両親が「国宝5城のうち、松本城、犬山城、姫路城、松江城には行ったことがあるが、彦根城は行ったことがない」と話していたのを思い出し、今月は彦根城に向かいます。

彦根城は滋賀の紅葉の名所の一つですが、WEB上の情報では、例年は11月下旬から12月上旬が見頃とのこと。今年最後の紅葉も期待です。

 

福井を出発した頃は、日差しも暖かく感じましたが・・敦賀周辺では強い風が吹き出し、最初の目的地 胡宮神社に着いた時には雨も降りだしました。

胡宮神社は、「神社に続く遊歩道を真っ赤なモミジが彩る」と紹介され、名神高速道路多賀SAから神社に向かう遊歩道も設けられているとのこと。本日は、裏参道から拝殿に向けて歩きましたが、鮮やかな紅葉も何本かあったものの、残念ながら落葉が進んでいました。

 

ゆっくり歩く両親より先に進んで、冷たい風の吹く中、拝殿前で2人を待っていましたが、なかなか現れません。

戻ろうとすると父親だけが1人歩いてきました。「杖を忘れたから坂は進めないと言って、戻っていった。」と、母親の言動に父親も苦笑いです。その父親も道端に落ちていた枝を、杖代わりに歩いています。2人とも、すっかり杖だよりの様子なのですが、なぜか杖を持って来ない2人の行動に、私も不機嫌になりかけましたが・・雨も強くなる中、急に日差しが強くなり、鳥居の向こうに鮮やかな虹が出るのを見て、気分も切り替わりました。
虹と鳥居をバックに両親の写真でもと思いましたが、残念ながら、両親が歩くスピードより速く虹は消えました。

 

彦根城に着く頃には、雨も風もおさまりましたが、次の難敵が待っていました。
彦根城は標高50mの山(丘陵)にある平山城です。傾斜はそれほどでもありませんが階段が長く続きます。もちろん観光用に無料の杖も置いてあるので、「岐阜城も登れた2人だから、彦根城程度なら大丈夫・・」と思っていましたが、当てが外れました。
母親は10mほど進んで「上には行かない。岐阜と違って寒い。博物館で待っている。」と言い出しました。いつものように気も変わるかと・・何度か説得を試みましたが、本日は聞く耳を持ちません。さっさと下に向かって歩き出しました。

 

止む無く、父親と私の2人で天守閣まで~ここも残念ながら落葉が進んでいましたが、母親のためにいくつか写真を撮り、家で見られるようにフォトパネルに掲載しました。

その間、父親は疲労困憊の様子(写真)で座り込んでいました。城特有の高さや幅が一定しない階段のせいもあるのでしょうが、半年ほどで体力はだいぶ落ちたのか・・と心配に。しかし、母親と2人で支えあう形なら違っていたかと考え直しました。精神的な支えがあるのとないのでは、疲れ方も違うのでしょう。特に、男は脆いのかもしれません。

 

最後は、琵琶湖湖畔の日帰り温泉に立ち寄って、夕暮れの琵琶湖を見ながら汗を流します。

寒かったせいか「良い風呂だった」とご満悦の様子の2人は、国宝5城を終えて、次は行ったことのない県の話となりましたが、「来年は広島に」と父親が総括して本日の外出は終了です。

来年の5月は「安芸の宮島」にでも・・確か、厳しい坂はなかったはずです。