親と歩く57 秋風の中 親子で初めてのブドウ狩りへ

2016年9月14日

父親の長兄の葬儀から2週間を経て、初七日などの一連の行事も終わりました。10日ぶりに顔を見た両親も叔母も落ち着いたようには見えますが、両親・・特に父親の疲れた感じの歩みを見ると「老い」を感じてしまいます。

 

兄の死去が、父親に与えたショックは大きいのかもしれません。仮にそうだとしても、特に何かできるわけではなく、いつも通りに接するしかありませんが・・今週は、残念ながら、落ち着いて両親の相手ができる感じではありませんでした。

今週末に、3年前の交通事故の民事裁判に関する証人尋問が東京で行われるため、いつもより福井の滞在日数が少ないにも関わらず、福井では、父親の不動産管理会社の新設に伴ういくつかの事務処理や来週行われる地方での勉強会で発表する人との相談など・・普段にはない案件が続きました。
そのため、今週の親との外出は、日帰り温泉だけかとも思いましたが、WEB検索で、日帰り温泉とブドウ狩りがセットというHPを発見し、そのまま親に打診しました。「ブドウ狩りは嫌だ」と言い出すかと思いましたが、なぜか反対もなく、雨が降らなければブドウ狩りに行くということに。

 

幸いなことに、予報とは異なり、本日は雨も降らず、予定通りの外出となりました。
40分ほどの車での移動時間ですが、後ろの座席の2人は何となく楽しそうに見えます。私が子供の頃には、両親は共働きでしたので、ブドウ狩りといった現代の親子では当たり前のイベントは、当時親子で行ったことはないことに気づきました。親に連れられてではなく、親を連れてのブドウ狩り・・何となく不思議な気分ではありますが、40年遅れた親子イベントと思えば面白いものです。

 

現地に着くと、車からブドウ狩りの受付までは、舗装されていない田舎道を、秋を感じさせる風の中を50mほど歩きます。先に行って受付を済ませて待っていましたが、いつもなる着くはずの時間になっても2人は来ません。見ると、未だ道半ば・・足元の覚束ない感じが2人の衰えを感じさせます

 

それでも、ブドウ園に入ると、父親はひたすらブドウを食べ続け、5房は食べたでしょうか。胃腸はまだまだ元気なようです。母親は、「このブドウは粒が不揃いで売り物にはならない」「家でブドウを食べてきたのでもう要らない」「口がイガラくなってもう食べられない」と文句が続きました。まだまだ口撃は続きそうです。
そう言えば、母親は、「安いコップを買ったら、何で買ったのか」と父親に文句を言われたという話を数か月にわたり続けています。本日も車内で、「帽子が古くなったが、買い替えると、また文句を言われるので、ボロボロになるまで待っている」と父親を口撃していました。こうしたやりとりができる間は、大丈夫なのでしょうが、いつまで続くかはわかりません。

 

今年は、これから父親の長兄の相続処理、父親の不動産管理会社の始動などと、両親に関わる面倒な案件が続きますが、あまり負担に感じないようにサポートするしかありません。
これらが一段落したら、来春はいちご狩りを打診してみます。何というか楽しみです。