親と歩く51 本日は介護の日 天気も気分も「いい日」でした

2015年11月11日

本日は、2008年に厚生労働省が制定した介護の日。
日付は、パブリックコメントをして決めたようですが、元々は「いい日いい日」の語呂合わせとのこと。

定期的な「外出支援」も50回を超えると、あまり高齢者の介護を深刻に考えても仕方がないと思うようになり、こうした語呂合わせも悪くないように感じるのも不思議なものです。

 

特に、本日は数日ぶりの青空。

中身の薄い予算委員会の閉会中審査を見ているよりも外出のほうが生産的と、予定より早めに出発。

最終目的地は、日本海沿いに立地する国民宿舎たかす荘の「源泉かけ流し」ですが、その前に、国見岳森林公園を目指します。

 

約1時間の移動中、両親は自由に発言を続けましたが、双方とも耳が遠いせいか、全く違う話をしているものの、それぞれ会話が成立しているかのごとく話し続けるのも不思議なものです。しかし、こうした状況が、かえって2人の関係を円滑にしているような気もして、自然と笑いが出ます。
脳梗塞で倒れた姉がリハビリテーションを受けるために転院した病院の近くを通った際には、「あの頃、毎日通ったが、大変だった。」という話が出ましたが、そこから急に「博一は太った。以前、あんなに顔は大きくなかった。姉と同じように倒れると大変だから痩せろ。」と、矛先が私に向きます。昨日、久しぶりに髪を切ったので、相対的に顔が大きく見えるだけなのですが・・おちおち散髪もできません。

 

聞こえないふりをして、国見岳森林公園につながる二枚田幹線林道に入りましたが、舗装道路に落ち葉が重なり、センターラインも見えません。残念ながら、紅葉は終わりのようでした。それでも、福井の市街地が綺麗に見えるなど、なかなかの景色です。
しばらくして、公園の管理事務所近くに車を止めると、今度は北に坂井平野、西に日本海、東に県境の山々が綺麗に見えます。風の冷たさも清々しいものに感じられます。ただ、高齢の2人には寒かったようで、喫茶室に入って暖かいものを注文して、薪ストーブで暖をとることに(写真)。
喫茶室には、管理人の女性のほかに、高齢の方がいましたが、聞くと管理人の母親で、大阪から遊びに来ているとのこと。夏には、キャンプ・バーベキューのお客さんも多いのでしょうが、11月末で営業も終了・・私たちが来るまでは、管理人の仕事を2人でしながら、ゆっくりとした時間を過ごしていたのでしょう。こうした親のみかたは、自営業等が多かった昔には普通だったのでしょうが、サラリーマンばかりとなった現在では、珍しいものです。こうした就業形態の変化も、高齢者の介護の問題を難しくしているのかもしれません。

 

喫茶室で、1時間弱の休憩となりましたが、その間、自分の健康に自信を持ち始めた父親が、病気について語っていました。年初めは、やはり病気は心配で、病気についてあまり考えないような風情でしたが、本日は「悪性リンパ腫という医師の診断は誤診だった。そうでなければ、こんなに元気なはずがない。」と意気軒高です。近所でも、父親の病気のことは広がっているようですが、「がんと言われると普通は元気がなくなるものだが、がんと言われて元気になるのはおかしい。」と言われて、自信も強まったとの話も聞きました。医学的には根拠はなく、いつ転移・悪化してもおかしくはないのでしょうが、本人が、そう思うのをあえて否定する必要もないので、笑って聞き流すだけです。それも介護の一種でしょう。

 

喫茶室を出て、カーブの続く林道を20km近く走って最終目的地に到着です。
母親は車に酔ったと、最初は、「源泉かけ流し」の温泉に入らないようなことを言っていましたが、1時間30分後・・最後に温泉から出てきたのは母親でした。日本海の見える温泉は、人も少なく、2人とも気分がよくなったようです。

介護の日の本日は、「いい日いい日」で終わりました。

 

ちなみに本日は、全国製麺協同組合連合会が定めた麺の日でもあります。
北陸で有名な8番ラーメンを、帰宅途中に食べ、麺の日を祝うこともできました。