親と歩く47 涼を求めて三方五胡へ 両親の老いを見守る大変さを再確認

2015年7月30日

福井に戻った26日の最高気温は36度を超えるなど、今週は連日30度を超える暑い日が続きました。
私は暑さを避けて、部屋に籠っていましたが、両親も午前中は外出しているものの、午後は家の中で休むことが続いている様子でした。そこで、今回の外出は、涼を求めて、三方五湖クルーズに向かうことにしました。

 

三方五湖は、若狭湾国定公園に属する景勝地で、ラムサール条約指定湿地に登録されています。最も大きな水月湖は、珍しい二重底の湖(湖水上部は淡水、下部は硫化水素を含む無酸素の汽水)として知られているとのこと。姉が元気な頃には、両親と一緒に来たこともあるようです。

 

さて、昼過ぎ、出かける際に、ふと父親を見ると、足を引きづっているように見えます。事情を聞くと、足腰が痛いので、医者に行って痛み止めを打ってもらったとのこと。足腰が痛くなり始めているのに、毎朝の散歩、畑の草とりを無理して行ったようです。母親も「自分では元気でいても、体がついていかないのだから・・言っても聞かないので、どうしようもないが」とあきれた様子です。
さらに、母親によれば、管理を他に任せたはずの農地も、少々、草取りが遅れたくらいでも、父親は気になってしょうがなく、任せた人に注意することもなく、自分で勝手に草とりをしたとのこと・・さらに、私には、「任せた○○は、どうしようもない・・」と言い出す始末です。

 

同じようなことが6月にもあったので、「私に文句を行っても意味はないでしょう。自分で処理する前に、相手に注意をしなさい。」と言わざるを得ませんが、「注意するより、自分でやったほうが良い」と、父親は管理を任せたことを忘れているような話ぶりです。幼い頃より、周囲から、学歴がない、貧乏などと、バカにされた・・バカにされないように頑張ってきた父親ですので、何でも自分でやらないと気が済まないという習慣が根付いているのは分かるのですが、それが、後進を育てて底上げをするといった発想になれない原因ともなっており、なかなか扱いが難しい相手です。
「死ぬまで治らないとは思うが、こうしたことが続くと疲れるな・・」と考えているうちに、間もなく三方五湖です。

 

最初予定していた観光船は、HPの掲載情報とは異なり、なんと運休・・福井らしい対応と思いつつ、別の観光船乗り場に向かいます。ここは、1月末の来客を案内した際に、ガスで何も見えなかった・・という悪い記憶のある場所ですが、本日は山並みも見える程度の曇り。暑さも、それほどではありません。
両親も先ほどの話を忘れたように、クルーズ船に乗り込み、湖面の水鳥、周囲の三方富士や梅林など、約40分間の船旅を楽しんでいるようでした。涼をとるには、ちょうどよい場所だったようです。
ただ、船の乗り降りは、母親はさっさと移動していますが、父親は痛みを堪えてゆっくりと移動しているのが気になります。車中でも、大きな段差があると、父親は痛いらしく「ウッ」と声を出していました。母親が回復してくると、父親が悪くなるという状況ですが、年齢的にはやむを得ないのでしょう。

 

本日の最後は、近くの「みかた温泉」で、汗を流すことに。
父親は、いつも以上に温泉に長く入り、足腰を伸ばしていました。その姿を見ながら、「無理せず、人に任せればよいのに」と、再度、思いましたが・・

やはり、「死ぬまで治らないのだから、そこまで付き合うしかないか・・」と思い直し、本日の外出は終了です。
しかし、親の老いを見守るというのは、なかなか大変なものと、改めて思います。