親と歩く45 気温30度 北陸新幹線で暑い信州に

2015年5月28日

今月は、北陸新幹線を利用して信州に向かいます。

 

北陸新幹線が開通したのは今年の3月。TV等でも盛んに報道され、福井の自宅でも話題になり、試しに「乗ったみたいか」と問うたところ、「死ぬまでに一度は」ということでしたので、今回の1泊2日の旅の企画となりました。メインは、信州ではなく北陸新幹線です。

 

27日8時過ぎに、眠い目をこすりながら、両親とともに自宅を出発です。

今週は余裕の一週間となるはずでしたが、先週、某法人が職員対応で「不祥事」を起こし、先週後半は東京で徹夜も含めた対応(事情聴取と陳述整理・法的検討など)が続き、福井に戻ってからも、法人からは「福井に行くから会いたい」との話まで・・

このため、27日も徹夜明けでの出発となり、両親は楽しそうですが、こちらは笑顔ながらも、この不祥事や、また予測される数々の旅程の関門もあり、憂鬱な気分での出発でした。

 

福井から金沢まで在来線特急で1時間弱。そこで第1関門の北陸新幹線に乗り換えですが、通常の乗り換え時間の2倍の時間を確保したことから、順調に行き、少し気分は上向きです。両親は、車中で、「本日は4時に目が覚めて、寝られなかった。」とお互いに話をしていますが、「いつも5時に起きては畑仕事をしているのだから、4時でも特に早くない・・」と思うものの、両親は、この旅を楽しみにして「子供の頃の遠足の朝の気分」でいるのかと考えると、もう少し気分が上向きになります。
金沢から長野までの移動時間は1時間30分程度・・約半分はトンネルの景色。両親は少し残念だったようですが、帰りの新幹線でプレゼントを用意していたので、こちらの反応が楽しみでした。

 

第2関門の長野駅下車も無事終了し、初めて利用するレール&レンタカー予約での駅レンタカーにて、最初の目的地、善光寺御開帳に向かいます。
昨晩、母親から「TVで見ていた善光寺の御開帳に行きたい。7年に1回らしいので、次はきっと見られない。」と急な話があり、父親に聞くと「国宝の松本城にはぜひ行きたい。」との意見。双方の言い分を聞き、27日は母親の日、28日は父親の日でどうだ・・と双方の合意に基づいての本日の行動です。

 

善光寺は、一昨年、立ち寄った時は、人もまばらでしたが、御開帳もあって、いわゆる「黒山の人だかり」です。

3種類の参拝コースがあるのですが、どこも長蛇の列・・人が多過ぎで、どれが内陣を参拝する人の列なのかもわかりません。いつもなら、直ぐに諦めるところですが、本日は母親の日と、一人で「黒山」の中に進み、状況を確認して拝観料を支払って2人を列に並べます。気温は30度を超え、両親の健康も不安でしたが、堂内に入ると少しは涼しく感じられ、無事、内陣での参拝を終えて母親の希望は完了です。そこから松本に向かうレンタカーの車中で、「これで極楽浄土に行ける。」と言いながら、珍しくお礼の言葉がありましたが、続いて「直ぐに逝く気はないが(笑)」とのこと。先は長そうです。
しかし、予想以上に待ち時間が長かったため、次の行先はパスして、松本の浅間温泉に直接行くことにしましたが、車中で寝ている2人とともに、徹夜明けの私も睡魔に襲われ、危うく3人で冥途に・・となりそうでしたので、再度、予定を変えて、信州三宮に参拝がてら休憩。その後宿に到着です。

 

宿では、屋上の貸切風呂を借り父親と2人でと思っていましたが、何と母親も一緒に行きたいとのこと。いつもは、露天風呂は心臓に悪いのでと言い、できれば父親と一緒にいるのは嫌と言っているのに、どうしたことでしょう・・しかし、こちらから嫌というのも変なので、たぶん人生初めての3人での入浴と相成りました。

松本の夜景、綺麗な月と星を見ながら、いくつか話をしましたが、2人とも「これが本当の極楽だ」と言っています。2人を見ながら、こちらも嬉しくなりましたが、「不祥事」のせいで、こちらの仕事は大渋滞。そのため、本日も少しは仕事をと思っていましたが、3人で部屋に戻ったら、溜まった疲れのせいか、そのまま寝落ち・・ある意味「地獄」の状態です。翌朝には、「幸せと不幸はゼロサムかも・・」と思わざるを得ませんでした。

 

28日は父親の日で、希望通り松本城に向かいます。
私は何回か城に来たことがありますが、何度見ても、美しいと思わせる姿です。両親は初めてですので、私以上に、強い印象を持ったようで、父親が、写真撮影を商売とする方を見つけ、「皆で記念写真を」と言い出しました。いつもはお断りするところですが、本日は父親の日としていたので、一緒に撮影・・結果的には、両親との年齢差から、私が若く見える・・という写真ができあがりました。
その後、長野駅に向か途中では、母親が「わさび農園で買ったはずのものがない」と車中で大騒ぎ・・しばらくすると「シートの下に在った」と自分の足で押しやったと理解。その後、言い訳がましいことを言い出したので、母親に「人を騒がせたのだから言う言葉あるでしょう」と問うと、素直に「済みません」とのこと。これを聞き、「不祥事を起こしても、相手を非難する法人幹部に聞かせてやりたい」と思う自分に苦笑いです。

 

最後は、北陸新幹線の12号車・・グランクラスに座って金沢に向かいます。
航空便のエグゼクティブクラスの仕様と同じ感じですが、両親は、「近所で自慢できる」と喜んでいます。車両のCAの女性にも、色々と話しかけて、楽しそうな雰囲気(写真)でした。2時間にも満たない贅沢ですが、きっと2人の記憶には残ることでしょう。グランクラスの指定券も記念に手元に残して、旅は終了です。

 

途中、種々の関門はありましたが、2人には極楽のような思いが残り無事終了。
今晩から私の地獄が始まりますが、それでも、不祥事を無事収め、幸せと不幸はゼロサムではないと証明したいものです。