親と歩く35 葛飾北斎を観に福井市美術館へ

2014年7月25日

今月は、福井の自宅から、ほど近い、福井市美術館へ行きました。

 

前回から今回までの1か月、福井では色々なことがありました。
抗がん剤治療を中断した父親の今後を決めるための情報収集としてのセカンドオピニオン、父親の不動産貸与により実施していた某社会福祉法人の障碍者グループホームの事業廃止をはじめとして、何かと面倒なことが多い時期でした。
昨夕は、その集大成として、父親からは、抗がん剤治療を受けずに自然体で生活を送ると最終的に決めたことを聞きながら、貸借終了後の部屋の改修も概ね終わり、今後の新規貸付のための駐車場確保の相談を受けていました。一方、母親からは、「ぜひ10年以上、貸して欲しいと言っていた某法人のM氏が、挨拶もなく契約解除をしたことについて、どう思っているのか聞きたい」との話もありましたが、「まともな人なら挨拶に来るでしょう。来ないのは、それだけの人ということです。」とのやりとりもしました。

 

本日は、それらの対応も概ね終了し、久しぶりに落ち着いた気分での外出です。
葛飾北斎展(写真)は、福井市制125周年、福井新聞創刊115周年、福井テレビ開局45周年を記念して行われるイベントで、9月まで行われています。遠距離でなく、公共施設であり、室内であることから、両親とも問題なく鑑賞できると思いましたが、なかなか思うようには行きません。

一人離れて鑑賞していると、母親が美術館の係の人と話をしています。
どうも持参した水を飲もうとして係の人に制止されたようです。父親も、水くらい良いのではと係の人に意見しだしたのを私が制止して、その場を離れることになりました。

 

その後も、「少し話をしたら他の人にうるさいと怒られた(耳が遠いので大声になりがちなのに気づいていない・・)」「手すりもなく歩きづらい(展示場には手すりはないものです・・)」「熱中症で水分補給をと言うのだから水は良いのでは(ここで飲まなくてもよいでしょう・・)」と文句が続き、最後には、気分が悪いので早く出よう・・と言い出しました。
両親とも展覧会等に行ったことは数少なく、こうした展覧会の常識は欠けていたことに気づきましたが、後の祭りです。全てを見ることなく、途中で二人を連れて展覧室を退出。水を飲める場所に移動です。
確かに高齢者が多い時代ですから、展覧室も長い動線にせず、水等を飲める休憩場所を数多く配置するなどの工夫はあっても良いかもしれませんが、やはり非は、こちら側にありそうです。

 

こうした両親の行動を、葛飾北斎は、どうご覧になったでしょうか。
本日も展示されていた有名な富嶽三十六景は葛飾北斎70歳過ぎの作品、90歳まで存命との解説でしたが、彼も、両親のように、晩年は文句が多かったのかと・・ふと想像して笑ってしまいました。

 

今回見損なった後半の展示は、来月にでも一人に観に行くことにします。
ただ、来月以降の両親との外出先がさらに限定された感は否めません・・

病気を抱えて行動制約も強くなってきた二人の外出先、何かよいアイデアはないでしょうか。