2014年6月25日
今回は、能登半島の中央に位置する和倉温泉に1泊2日の小旅行です。
母親の心臓カテーテル手術から約2か月、父親の抗がん剤治療を中断してから約1か月を経過しました。
6月は、私の地方出張等が重なり、福井に戻るのは1か月ぶりですが、5月に福井を離れる際に、両親の目標になればと和倉温泉への宿泊を予約。今回は、その実施です。
予約した頃は、母親は、歩くのもゆっくりで、咳も出て、頻尿と・・体力に自信を失くしたようでしたが、今は、自転車で買い物に行くようになり、また咳も1日に数回と減ったようです。ただ、トイレが近いのは相変わらず・・私が福井に戻る前には、父親に「長い距離を移動するのは嫌だ」と言っていたとの由。
出発前日には、「9月に再度入院して検査する」と病院から言われて、嫌な気分を増したようです。
しかし、今回の小旅行を楽しみにしていた父親に促され、10時前に自車で出発・・走り出して5分も経たず、母親が「あの店で泊めてくれ」と言います。
何かと思いきや、「トイレに行ってくる。出発の30分ほど前にトイレに行ったが・・」とのこと。
今回は、小まめに休憩をとる、何を言われても気にしない・・と覚悟を決めて、改めて出発です。
概ね40~50分ごとに、高速サービスエリア、道の駅、コンビニと、順次、トイレ休憩をとりながら七尾市に到着です。現地では、七尾美術館(長谷川等伯で有名)、能登中島祭り会館(お熊甲祭りが有名)の2か所に回りましたが、両親は、ゆっくりと見て回り、いずれも15分程度の映像を興味深げに鑑賞していました。もちろん、見学を終えるとトイレに行くという「決め事」が繰り返されました。
15時過ぎには、和倉温泉に予約した宿に入りました。
スーパー銭湯で倒れたことから、1か月前には、1人で風呂に入るのを嫌がっていた母親に配慮し、大きなジャグジー付の部屋とし、その段差に配慮して踏み台も用意しましたが・・ふと気がつくと、何と一人で大浴場に行ってきたとのこと。
普通の部屋でも良かったかと、一瞬、思いましたが、1か月での回復を素直に喜ぶことに。
夕食は、両親の食が細くなり、宿の食事では多すぎることを考慮して、外で食事をする企画です。
私の趣味で、能登海鮮丼という店を選びましたが、そこで父親はナマ物をしばらく食べていないことがわかりました。1か月前に抗がん剤治療を中断し病院を出てきたときに、免疫が落ちているので1週間程度は「感染に気をつけて」「ナマ物は避けて」という注意事項を、今でも律儀に守っていたようです。
ナマ臭さが嫌いの母親には「のどぐろ炙り丼」を、父親にはイカが沢山のった「海鮮丼」を頼みましたが、二人とも美味しいとのコメント。まずは、「準快気祝い」の企画は成功です。
食事中に、父親からは「病院を出て1週間ほどしたら、髪が、ごそっと抜けた。あんなのは嫌だ。」との話がありました。小旅行が終わった翌日には、今後の治療方針を相談するために、福井市内の別の医療機関で血液の専門医の意見を聴く予定ですが、父親なりに、どのような方針とするかは、この1か月で考えたようです。私は、特にコメントしませんでしたが、父親の考えは医師との面談でわかるでしょう。
2日目は、3人とも朝風呂に入ってから、他の家族への土産物の購入、水族館でジンベイザメやイルカと対面(写真)と、結構な時間を歩き、楽しい時間を過ごして帰宅の途へ。課題のトイレ休憩は、帰りは1回だけでした。
母親は、車中で「行きたくないと思っていたが、行って良かった。楽しかった。」との由。
高齢者介護では、ある失敗に自信を失い、それがきっかけで行動が委縮して、さらに状態が悪くなることがよくありますが、とりあえず母親は、その危機は脱したようです。
年末には、また親戚一同での温泉企画もありますが、その頃には、もっと安心して、皆でお湯に浸かれることでしょう。